文化祭の経費36万円を2年前に横領...元中学教頭を懲戒免職

 

 郡山市教委は27日、当時教頭として勤務していた市立中学校の口座から現金36万円を引き出し横領したとして、学校管理課の50代男性指導主事を懲戒免職処分にしたと発表した。処分は同日付。

 市教委によると、男性は教頭として着任してすぐの2022年4月、中学校の校長室にある耐火書庫から無断で文化祭用口座の通帳と校長職印を持ち出し、払戻請求書に押印して同月4日と13日の2度にわたり、口座から計36万円を引き出した。男性は横領を認め「金銭的な余裕がなく、納税や自動車ローンの返済に充てた」と話しているという。文化祭は予定通り開催された。

 男性が異動した後の昨年9月、この中学校で文化祭の経費を確認していた際に不審な点があることが分かり、横領が発覚した。男性は発覚を防ぐため、後任の教頭へ経費の引き継ぎを行わず、通帳も持ち出したまま自身で管理していたという。関係者によると、通帳の管理が不適切だったことなどから、当時の校長についても県教委が27日までに訓告とした。

 市教委は男性が全額弁済していることなどから、刑事告発は見送る方針。懲戒処分に関する市の指針で、悪質性などの基準に該当しないとして氏名を公表していない。

 市役所で記者会見した小野義明教育長は「市民の信頼を損ねたことは誠に遺憾。関係者におわびしたい」と陳謝した。市教委は通帳などを複数人で確認するなどの再発防止策を図るとしている。