「戒石銘」精神で改革断行を 二本松商議所、首相へ拓本と石盤

 
戒石銘の拓本を手にする(右から)太田副会頭、菅野会頭、安斎副会頭、国井副会頭=県庁

 「戒石銘」の精神で政治改革の断行を―。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、二本松商工会議所は15日、首相官邸を訪れ、岸田文雄首相に二本松市の国指定史跡「旧二本松藩戒石銘碑」の拓本や石盤を贈る。戒石銘の碑文には二本松藩士の戒めとして「民に感謝し、いたわる気持ちを忘れずに仕事に励め」とする為政者の規範が刻まれている。同商議所は戒石銘の教えを生かし、国会議員に綱紀粛正を求める考えだ。

 菅野京一会頭が8日、県庁で記者会見して取り組みを発表した。岸田首相に拓本などを手渡すほか、早ければ6月に全ての国会議員713人にも手作業で和紙に刷り込んだ拓本を贈る。

 菅野会頭は、政治不信が経済に及ぼす影響に懸念を示した上で「公人たる者、襟を正し、国民の信頼と景気の回復に全力で取り組んでもらいたい。戒石銘の精神が全国に広がることを願う」と述べた。安斎文彦、太田英晴、国井文郎各副会頭らが同席した。

 二本松商議所は、戒石銘の戒めを胸に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に励んでもらおうと、2013年に当時の安倍晋三首相や全閣僚に拓本を贈っている。