いわき市選管が福島県議選「延期」要望 復旧との両立『苦悩』

 

 告示まで1週間に迫った県議選について、いわき市選管は23日、台風19号で甚大な被害を受けた状況を踏まえ、日程の延期を検討するよう県選管に要望した。

 県選管によると、今回の県議選で市町村選管から延期の要望を受けたのは初めて。県選管事務局は「書面が届いていないのでコメントできない」としているが、現時点で延期について検討していないという。

 要望では延期の検討のほか、予定通り実施する場合の職員派遣や財源の確保を求めている。

 いわき市選管「円滑な運営困難」

 県議選告示まで1週間に迫り、台風19号の影響に頭を悩ませる県内の各市町村選管。災害復旧と選挙事務の"両立"が求められる中、いわき市選管は延期を検討するよう県選管に要望した。関係者からは「被災した自治体と免れた自治体との温度差を感じる」との声も漏れる。

 県選管に延期を検討するよう求めたいわき市選管。被災した市民が生活再建に追われているほか、多くの職員が避難所運営や給水対応などの復旧作業に携わっており、現状では円滑な選挙運営が難しいと判断した。

 投票事務に従事する職員数は全職員の約2割に当たる930人。災害対応と並行して行うには人員の確保が必須としており、「24時間態勢で復旧対応に当たっている中で、確保が難しくなることも考えられる」と担当者。県議選が予定通り実施された場合には、当初16カ所を予定していた期日前投票所のうち、浸水被害のあった小川支所と、避難所となっている好間、中央台両公民館の3カ所には設置しないという。