【福島県議選・選挙区情勢】県南の新争点に「台風からの復旧」

 

 【須賀川市・岩瀬郡】8年ぶりの選挙戦が見込まれ、現職2、新人4の計6人が争う激戦となる模様。台風19号からの復旧が新たな争点として浮上する中、安定した地盤を背景に実績を強調する現職に対し、新人は県政刷新、世代交代をうかがう構えだ。

 現職が引退する自民はいずれも元市議の水野、渡辺の新人2人を公認。元市職員の水野は行政手腕をアピール、経済振興や教育の充実を掲げ浸透を図る。業界団体や市内各行政区の支持を固める渡辺は、元自衛官として災害に強いまちづくりを訴える。

 国民現職の宗方は市街地の企業や団体を中心に票を固める。医療の充実などを課題に挙げ、6選を狙う。7選を目指す無所属の川田は旧岩瀬村が地盤。長寿社会への対応と行動力を訴え、支持拡大を図る。

 共産の新人丸本は党の組織力を生かしつつ、唯一の女性候補として女性や無党派層の取り込みを狙う。無所属新人の吉田は現役の医師として医療と介護、福祉の充実を掲げ、地元鏡石町から支持を呼び掛ける。

 【白河市・西白河郡】自民の満山と渡辺、急逝した父の後継として昨年の補選で初当選した無所属の三村の現職3人が立候補を表明しているほか、新人の金山が告示直前に立候補の意思を固め、選挙戦となる見通しとなった。

 副議長を務めた満山は実績を強調、地盤の旧市内や大信地域から支持の拡大を進める。渡辺も県とのパイプをアピール、産業振興などを掲げて東地域を軸に票固めを図る。補選で無投票だった三村は地元矢吹町から選挙区全域への浸透を目指す。金山は市内市街地などで若年層を中心に政策を訴えていく。

 【田村市・田村郡】3選を目指す自民現職の先崎、2期目を狙う無所属現職の三瓶のほか立候補の動きはなく、無投票の公算が大きい。

 先崎は自民支持層を基盤に浸透、医療体制充実や県立高支援を訴える。三瓶は地元三春町を地盤に、人口減対策などを強調する。

 【石川郡】現職と新人2人が立候補を予定、前回に続いて三つどもえの構図になりそうだ。

 無所属現職の円谷は地元衆院議員の後援会を柱に、連合福島の推薦も受けて3選を狙う。元石川町議会議長の自民新人大野は、党組織や各地に設立した自身の後援会を生かして戦う。元古殿町議の無所属新人野崎は、いわき市と石川郡を結ぶ高速道建設を訴え、4度目の挑戦での初当選を目指す。

 【東白川郡】2期目を目指す自民現職の宮川がただ1人立候補を表明している。ほかに動きはなく、無投票で再選を果たす公算が大きい。(敬称略)=おわり