「福島県議選」31日告示 75人立候補予定、9選挙区で無投票か

 

 任期満了に伴う第19回県議選(定数58)は31日告示され、11月10日の投票に向けた選挙戦に入る。29日現在で現職53人、新人22人の計75人が立候補を予定、19選挙区のうち10選挙区で実戦入り、9選挙区で無投票となる見通し。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故からの復興の進展に加え、第1原発の廃炉・汚染水対策、台風19号をはじめとする大規模な自然災害への対応が焦点になりそうだ。

 県議選は震災、原発事故以降3回目となる。県選管は「有権者が避難を続ける中で、投票の機会を確保する必要がある」として2011(平成23)年の第17回、15年の第18回と同様に選挙期間を震災前から1日延長して10日間とする。立候補者が75人にとどまれば03年に行われた第15回の78人を下回り、過去最少。9選挙区の無投票は1979年の第9回、2007年の第16回と同数で過去2番目に多い。ただ両年とも23選挙区で行われており、19選挙区になってからは前回の8選挙区を上回り、最多となる。

 無投票の可能性が高いのは伊達市・伊達郡、二本松市、本宮市・安達郡、田村市・田村郡、東白川郡、河沼郡、大沼郡、南相馬市・飯舘村、双葉郡の9選挙区。

 本県は台風19号と、その後続いた大雨で甚大な被害を受けた。被災した有権者からは「選挙どころではない」との声も聞かれ、投票率の低下が懸念される。立候補予定者はどう選挙運動を展開するべきか手探りの状態。また選挙事務を担う市町村選管は災害対応に追われ、人員の確保などが課題となっている。

 一方、各党は告示を控え支持固めを急いでおり、36人を公認、推薦した最大会派の自民(改選前29)が過半数の議席を獲得できるかどうかも焦点となる。

 立候補受け付けは午前8時半から

 立候補届け出受け付けは31日午前8時半~午後5時に、県内18カ所で行われる。