北塩原村長に遠藤和夫氏 286票差、蟹巻氏との新人対決制す

 
初当選して万歳三唱する遠藤氏(左)。右は妻真理子さん

 任期満了に伴う北塩原村長選は30日投開票が行われ、即日開票の結果、ともに無所属の新人で元村議の遠藤和夫氏(65)が蟹巻尚武氏(59)を286票差で破り、初当選した。任期は9月6日から4年。

 遠藤氏は、人口減少対策を軸に、北山地区の宅地造成や桧原湖の周遊型観光などを訴え、前回落選した村長選の雪辱を果たした。

 投票率は82.38%で前回2016(平成28)年を1.71ポイント上回った。当日有権者数は2282人(男性1140人、女性1142人)。

 当選証書付与式は31日午前10時30分から、村コミュニティセンターホールで行われる。

 村民参加の政策浸透

 ともに新人で元村議同士の一騎打ちとなった北塩原村長選。有権者は地域の再生と可能性を模索し、訴え続けた遠藤和夫氏に村政を託した。

 遠藤氏は、前回の村長選ではなかった後援会組織を村内4地区に置き、草の根運動を展開した。地域をくまなく巡って課題を探り、北山地区の宅地造成、大塩地区の休耕地を有効活用した新たな農産物ブランドの創出などを公約に掲げた。

 期間中は毎日、若者や会社帰りの社会人向けの遊説を重視し、村民参加の村づくりへ支持浸透を図った。

 蟹巻尚武氏は、村議の半分以上の支持を受けた組織戦を展開。災害時の避難所対応の充実などを訴えたが立候補の出遅れが響いた。

 村には人口減少や新型コロナウイルスの影響を受けた裏磐梯の観光回復など、喫緊の課題が山積する。村を二分した村長選のしこりも懸念され、遠藤氏には、公約実現へ議会や村民への丁寧な説明が求められる。

◆北塩原村長選開票結果(選管最終、敬称略)
当1,072 遠藤 和夫 65 無新
   786 蟹巻 尚武 59 無新