川俣町長に新人・藤原一二氏「初当選」 現職・佐藤氏らを破る

 
初当選を果たし、支持者らと万歳する藤原氏(中央)

 任期満了に伴う川俣町長選は14日、投票が行われ、即日開票の結果、新人の元町収入役藤原一二(いちじ)氏(74)が現職の佐藤金正氏(72)=1期、新人の農業佐藤善一氏(71)の2人を破り、初当選を果たした。任期は26日から4年。

 国の第2期復興・創生期間が始まるのを前に町政の継続か刷新かなどが争点となった。前回に続き出馬した藤原氏は学校給食の完全無償化や中心市街地の空洞化対策、子育て支援の充実などを訴え、支持を集めた。

 投票率は64.67%で、4年前の前回を5.72ポイント下回った。当日有権者数は1万1150人(男性5539人、女性5611人)。

 「ネット活用」刷新訴え

 間もなく東日本大震災から丸10年となる中行われた川俣町長選。有権者は町政の「刷新」を訴えた新人の藤原一二氏を新たなかじ取り役に選んだ。

 藤原氏は「変えよう!川俣」をスローガンに草の根運動を展開。インターネットを活用するなどして、若年層の票や現町政への批判票の取り込みを図った。復興事業の総点検など具体的な施策を訴え、支持を拡大。前回は佐藤金正氏に951票差で敗れたが、今回は598票差で接戦を制した。

 佐藤金正氏は県議時代に築いた後援会組織を活用し子育て支援策などを訴えたが及ばなかった。佐藤善一氏は経済の活性化などを訴えたが浸透しなかった。

 コロナ渦の選挙戦となったため個人演説会などは開かれず、政策の議論は十分に深まらなかった。町議の支持が二分した今後の影響も懸念される。藤原氏には円滑な町政運営により、掲げた政策の着実な実行が求められている。

◇川俣町長選開票結果(選管最終、敬称略)
当3,790 藤原 一二 74 無新
 3,192 佐藤 金正 72 無現
   163 佐藤 善一 71 無新