参院選、見えぬ戦い構図 任期満了まで1年、増子氏態度表明せず

 

 参院議員の半数に当たる2016(平成28)年に当選した議員の任期満了まで、25日で1年となる。福島選挙区(改選数1)は、改選期を迎える現職の増子輝彦氏(73)=無所属、3期=が態度を表明しておらず、県内各党による候補者擁立も秋までに行われる次期衆院選後となる見通しで、戦いの構図は見えていない。

 増子氏は福島民友新聞社の取材に「福島の復興などの課題解決に国政の場で取り組むことに意欲を持っている」とした上で「次期衆院選後に今後の方向性を明らかにしたい」と述べた。

 1994年に自民党を離党した増子氏は、民進党幹事長など旧民主党系の勢力で要職を歴任。2016年参院選福島選挙区では、民進に所属していた増子氏が野党統一候補として出馬し、法相だった自民現職を破って3回目の当選を果たした。

 しかし、増子氏は昨年9月の野党再編で新党に加わらず、無所属を選択。同10月には、自民と無所属の議員でつくる参院会派「自民党・国民の声」に入り、これまでの政治姿勢を一転させて旧民主系の勢力とは決別、与党に接近した。増子氏の動きを受け、与野党ともに「真意を測れない」と警戒を続けている。

 参院選に向け、自民は県連が「年齢を含め複数期活躍できる候補者」とする方針を基に候補者選定を進めている。党本部が14日に決定した第1次公認候補については福島選挙区からの公認申請を見送っており、政治情勢や新型コロナウイルス感染症の状況などを鑑み、人選は衆院選後となる見通し。連立政権を組む公明は比例代表に重点を置きながら、自民の擁立作業の推移を見守る方針。

 立憲民主は、人選は白紙とした上で、野党統一候補だった増子氏の動向について「積極的に接触する考えはない」(亀岡義尚県連幹事長)と静観する構え。社民、国民民主の各県連とともに県議会第2会派の県民連合、連合福島でつくる5者協議会の枠組みで候補者選定を進めるとみられる。共産は次期衆院選での野党共闘の成否を踏まえ、候補者擁立や参院選での共闘の在り方を検討する考え。