福島市長に現職・木幡浩氏 新人・高橋氏を6万4654差で破る

 
当選確実の一報を受け万歳する木幡氏と妻澄代さん=21日午後8時30分ごろ、福島市

 任期満了に伴う福島市長選は21日、投票が行われ、即日開票の結果、現職の木幡浩氏(61)=1期=が7万2018票を獲得し、新人の会社経営高橋翔氏(33)に6万4654票差をつけて再選を果たした。

 木幡氏は新型コロナウイルス対応と、疲弊した地域経済の再生を最優先に掲げた。人口減少対策として、将来にわたる安全安心、子育て教育、魅力ある仕事、にぎわい創出を強化する政策などを訴えたほか、課題となっている中心市街地活性化に向け、まちなか回遊策、商業振興策などを示し、有権者の支持を集めた。

 投票率は34.79%で前回から13.13ポイント低下し、過去最低だった2009(平成21)年の市長選の38.18%を3.39ポイント下回った。

 木幡氏への当選証書付与式は22日午前10時から市役所で行われる。2期目の任期は12月8日から4年。

 当日有権者数は23万2391人(男性11万2014人、女性12万377人)。

 選挙戦は盛り上がらず

 【戦いの跡】無投票ムードから一転して選挙戦に突入した福島市長選は現職木幡浩氏が再選を果たした。明確な争点がなく、事実上現職の「信任投票」となったこともあり、選挙戦は盛り上がりに欠け、投票率は過去最低を更新。有権者の半数以上が選挙に背を向けた格好だ。

 木幡氏は多くの市議の支持や政党支部の推薦などを受けたほか、4年で倍以上に増やした地区後援会をフル稼働した。無投票ムードは、木幡氏の1期目の実績や手腕が評価されたともいえるが、共産を除くオール与党態勢で、選挙への関心が薄れたともいえる。

 無投票を阻止するとして告示直前に出馬表明した新人高橋翔氏は一部批判票の受け皿になったが、大きな選択肢にはならなかった。

 新型コロナや中心市街地活性化など県都の課題は山積している。2期目を迎える木幡氏には低投票率と声なき有権者の存在を受け止め、市民目線の政治を心掛けてほしい。(報道部・国分利也)

◇福島市長選開票結果(選管最終、敬称略)
当72,018 木幡  浩 61 無現
  7,364 高橋  翔 33 無新