二本松市長選で4選の三保恵一氏に聞く 総合計画を着実に前へ

 
二本松市長選で無投票当選した三保恵一氏

 21日に告示された二本松市長選で無投票当選した現職の三保恵一氏(72)は、福島民友新聞社のインタビューに応じ、新型コロナウイルス対策や、本年度からスタートした市総合計画に掲げる政策の実現に全力を挙げる考えを示した。(聞き手・編集局長 小野広司)

 ―2009(平成21)年以来2度目の無投票当選をどう受け止めるか。
 「この4年間、市政の大改革を通して自立、発展できる二本松づくりに努めてきた。それらを市民の皆さんに理解してもらった結果と考える。無投票でも投票でも結果を重く受け止めるのは同じ。無投票の方が責任をより強く感じる。市民の思いや願いを踏まえて市政の発展に取り組む」

 ―3期目を総括すると。
 「『市民が主役。市民とともに。』の精神を基本に、次世代を見据えて市政を大改革し、市民誰もが元気で心豊かに暮らせる新しい二本松の実現に全力を尽くした。一方で東日本台風(台風19号)や新型コロナウイルス感染症といった新たな課題にもスピード感を持って対応した。また2企業を誘致できたほか、二本松、安達、杉田各駅周辺整備など魅力あるまちづくりも着実に前進させられた」

 ―4期目の市政運営は。
 「『笑顔あふれる しあわせのまち 二本松』を将来像とし、今後10年間のまちづくりの方向性を示した市の総合計画が今年スタートした。策定の際に市民から聞いたさまざまな夢や希望を反映させていて、市民との約束でもある。計画を着実に進めることが市長としての使命、責任だ。前倒しすべき課題には迅速に対応し、住みよい二本松にするために実行していく」

 ―コロナ禍で落ち込んだ地域経済の再生策は。
 「新型コロナから市民の命を守ることを基本に、迅速に感染拡大防止に取り組み、ワクチン接種も本宮、大玉との3市村で進めた。地域経済対策も切れ目なく対処したが、今後さらに対策を進化させる。コロナ禍で米価も下落しており、それらに対応する新たな取り組みも準備している」

 ―少子高齢化に伴う人口減少への対策は。
 「少子化の中で晩婚、未婚の人が増える一方で、高齢化も進行している。市内各地域に活気を生むことが必要だ。各地域にある道の駅と安達ケ原ふるさと村を核にして地域の活性化を図っていく。二本松駅南地区や安達駅、杉田駅周辺を整備し、新たなまちづくりを進めている。民間活力を最大限取り入れ、住環境整備にその効果を発揮できるよう取り組みたい」

 ―来年4月に霞ケ城公園前にオープンする市歴史観光施設の活用策は。
 「国指定史跡『二本松城跡』(霞ケ城公園)は市民の誇りでよりどころ。一方、二本松の菊人形や桜など観光資源でもある。城や二本松少年隊の歴史を紹介することで二本松を知ってもらい、二本松城跡の散策はもちろん、市内の酒蔵や神社仏閣などを巡ってもらう拠点とする。そうした機能が発揮できるよう人材を含めソフト面も整えたい」