福島市長選で再選の木幡浩氏に聞く 2期目最優先はコロナ対策

 
福島市長選で再選した木幡浩氏

 21日投開票の福島市長選で再選を果たした現職の木幡浩氏(61)は、人口減少対策の強化や中心市街地活性化を図り市勢発展につなげていく考えだ。県都のかじ取り役として再び負託を受けた木幡氏に抱負などを聞いた。(聞き手・編集局長 小野広司)

 ―1期目の総括と2期目の抱負は。
 「公約は全て着手し、待機児童ゼロを達成するなど市政は前進した。2期目の最優先はコロナ対策で、使命だ。市民生活や地域経済を一日も早く立て直す。コロナ禍で加速した人口減少の流れを断ち切り希望の未来を市民と共につくりたい」

 ―次のコロナ対策は。
 「感染状況が落ち着くことが最大の経済対策。ただ、感染をゼロにするのは難しく、早期発見、早期防止が基本だ。県と連携して病床を増やし、保健所が担う感染者の経過観察の民間委託も検討する。国や県の対策を注視し、足りない部分を先取りして効果的な対策を打ちたい。米価対策も兼ねた経済再生支援策を検討中で、近く発表する」

 ―人口減少対策は。
 「英語、ICT、農業など特色ある保育・教育環境を整備し子育て世代を集めたい。1期目はトイレの洋式化など整備が遅れていた部分を進めた。2期目は老朽化する学校の改修を進め、教育に力を入れる都市だと分かるようにしたい」

 ―整備中の福島駅東口周辺の再開発事業の課題は。
 「2026年度に開業予定だが、できるだけ前倒しする。課題はコンベンション施設の運用。商業や観光、イベントなど多方面で連携しなければ効果がない。駅前にあるからこそ人が集まり、街中や市内外にも波及する。商業施設が集まる好循環を生み出すような運用を考えていく」

 ―3年後に隣接する伊達市にイオンモールが開業する。市街地の活性化策は。
 「イオンモールと福島駅前は魅力が違う。駅前は回遊する楽しさがある。空き店舗を活用し、創業支援やクリエーターの拠点化を図って、新しい交流を生み出したい。駅前周辺でイベントを定期開催し、人が集まるようにする。郊外の温泉や縄文文化、UFOなど各地域の個性も生かす」

 ―市の財政状況は。
 「最少経費で最大の効果を上げようと常に財源捻出の努力をしている。財政は健全だが、福島駅前再開発など大事業をやれば当然苦しくなる。事務作業の見直しなど内部改革を進める」

 ―福島市を中心とした連携中枢都市圏の在り方は。
 「まだ成立予定だが、周辺市町村との広域連携として観光振興やスポーツ施設の相互利用などを考えている。入札参加の受け付けシステムの広域導入、移住や出会いの場づくりの共同開催など、行政の効率化も考えていきたい」

 ―市の将来像は。
 「攻めの姿勢で未来を切り開くことが重要だ。高齢者や障害者が活躍できる共生社会はもちろん、豊かな環境を未来に引き継ぐゼロカーボン、デジタル化も進める。にぎわいある県都で県内全体に貢献していく」