「数合わせの分割回避を」 衆院選挙区の区割り、内堀知事意見

 

 衆院小選挙区定数の「10増10減」を巡り、内堀雅雄知事は20日、衆院選挙区画定審議会(区割り審)の意見照会に対する回答を提出した。会津地方の市町村が福島4区の分割に強く反対していることなどを踏まえ「『数合わせ』のための市や郡の分割は避け、地域の特性を十分に考慮の上、慎重に審議するよう求める」とした。

 県が同日、発表した。2020年国勢調査結果を基にした新たな議席配分方法では、本県の定数は現行の5選挙区から1減の4選挙区となる見通し。内堀知事は、区割り審が作成する区割り改定案への意見として「浜通り、中通り、会津地方それぞれの気候風土、伝統文化、経済圏や生活圏が全く異なる特性を持っている」と強調。その上で、県内選挙区の中で最も人口が少ない福島4区を巡り「4区の大部分を占める会津地方は、長い歴史の中で独自の風土や経済圏、生活・文化圏を形成し、現在もさまざまな地域課題に対し広域的に一体となって対応しており、会津地方の市町村は、4区の分割に強く反対している」とし、数合わせのための市や郡の分割を避けるよう求めた。

 また、前回の区割り改定で西郷村のみが福島3区から福島4区に編入されたことについて「地域の歴史的沿革や地勢状況、経済圏域や生活圏域などの地域としての一体性が考慮されていない」とし、是正を求めた。東京電力福島第1原発事故により多くの県民が県内外で避難生活を続けていることなど本県の特殊事情についても十分考慮するよう訴えた。区割り審は6月までに改正案を首相に勧告する。