南相馬市長に現職・門馬和夫氏 968票差で元職・桜井氏破り再選

 
       門馬 和夫氏

 任期満了に伴う南相馬市長選は23日投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の門馬和夫氏(67)=1期=が1万6593票を獲得、無所属で元職の桜井勝延氏(66)に968票差を付けて再選を果たした。

 門馬氏は新型コロナウイルスの感染で終盤から不在となったが、陣営が待機児童の解消など実績をアピール。産業団地整備を通した雇用創出や子育て環境の整備を訴え、支持を広げた。桜井氏は新型コロナの影響を受けた事業者の支援強化などを訴え、現職の批判票の取り込みを狙ったが、及ばなかった。

 市選管によると、当日の有権者数は5万972人で、投票率は63.75%と前回を1.36ポイント上回った。任期は29日から4年。

 門馬氏への当選証書付与式は24日午前10時から市役所で行われる。

再び市政託され感謝と責任 門馬和夫氏の話 選挙戦終盤に私とスタッフが新型コロナウイルスに感染し心配と迷惑を掛けた。再び市政を託されたことに感謝と責任の重さを感じている。これからの4年間、全身全霊、市民のために働きたい。

 1期目の実績評価

 【戦いの跡】前回同様の顔触れによる一騎打ちとなった南相馬市長選は、収束が見えない新型コロナウイルスの現状などに市政の安定、継続を望む声が上回り、現職の門馬和夫氏が再選を果たした。

 門馬氏は新型コロナワクチンの迅速な接種など1期目の実績を強調。産業活性化や子育て支援充実などの公約を掲げ、推薦を受けた自民、公明の組織票を力に、地盤の大票田・原町区のほか市内全域から幅広い支持を集めた。選挙戦終盤に自身の新型コロナ感染が確認されたが、本人不在の中、陣営が政策を粘り強く訴え、接戦を制した。

 桜井勝延氏はコロナ禍で活力が低下したとして現市政の取り組みを批判。震災、原発事故発災時の市長としての経験をアピールしながら会員制交流サイト(SNS)などを駆使して変革を訴えた。現職に批判的な勢力を結集、返り咲きを狙ったが及ばなかった。

 待ったなしのコロナ対応、震災、原発事故で深刻化する人口減少・少子高齢化に加え人材不足が続く地域医療の再生など、山積する課題にどう向き合うのか。100年先を見据えたまちづくりを掲げる門馬氏の真価が問われる2期目となる。(相双支社・斎藤駿)

 ◇南相馬市長選開票結果(選管最終、敬称略)
当16,593 門馬 和夫 67 無現
 15,625 桜井 勝延 66 無元