吉田浪江町長、今期限り退任表明 6月告示、2期目立候補せず

 

 任期満了に伴い6月22日告示、7月10日投開票で行われる浪江町長選を巡り、現職の吉田数博氏(75)=1期=は2日、町役場で記者会見し、町長選に立候補せず、今期限りで退任すると表明した

 吉田氏は退任理由について「今年7月に76歳を迎え、高齢に伴う健康への不安がある」とし、「新しいリーダーの下で持続可能な町づくりを進めてもらい、子や孫が誇れる町を築いていってほしい」と述べた。

 吉田氏は浪江町出身。小高工高卒。1997(平成9)年から町議を6期務め、町議会議長などを務めた。故馬場有前町長の辞職に伴う18年の町長選に町議を辞職して出馬し、初当選した。

 町長としてJR浪江駅周辺の再開発事業に着手したほか、農業施設の整備や復興牧場の誘致など農林水産業の再生、道の駅なみえの全面開所などに取り組んだ。

 吉田氏は会見で「帰還困難区域の避難指示解除や、浪江駅周辺の再開発などは完成を見たかった」とし、「復興が道半ばの中で課題は多いが、私の役割はしっかり果たせた。これ以上は務めることができず申し訳ないと(馬場氏の墓前に)報告したい」と述べた。退任後は農業に取り組み、地域の農業再生に力を注ぐという。

 町長選を巡っては、立候補を模索する動きがあるが表面化していない。