新人・木賊正男氏が無投票当選 鏡石町長選、子育て支援充実へ

 
当選を果たし、万歳する木賊氏(右)と妻真由美さん

 任期満了に伴う鏡石町長選は24日告示され、無所属で新人の木賊(とくさ)正男氏(65)のほかに立候補の届け出はなく、木賊氏が無投票で初当選を果たした。町長選が無投票となるのは2014(平成26)年以来8年ぶり。

 木賊氏は「安全で安心して暮らせる町」を掲げ、新型コロナウイルス、少子高齢化対策を進め子育て支援の充実を図る。産業振興と雇用面では、工業団地開発と企業誘致に取り組む。

 当選証書付与式は30日午前9時から町役場で行われる。任期は6月24日から4年。

 豊富な行政経験に期待

 【無投票の軌跡】鏡石町長選は8年ぶりの無投票となり、元町職員として豊富な行政経験を持つ木賊(とくさ)正男氏(65)が、かじ取り役を担うこととなった。

 現職の遠藤栄作氏(71)が昨年12月、今期限りでの引退を表明。今年2月に町職員を42年間務めた木賊氏が出馬を表明すると、実績と経験を買われ、対抗馬の動きは見えなくなった。

 町制60周年の今年は町内で「全国田んぼアートサミット」が開かれ、全国から多くの関係者が訪れる。東日本台風(台風19号)を受けた阿武隈川の緊急治水対策プロジェクトでは、遊水地の計画区域に成田地区の農地や宅地が含まれ、来夏にも国と住民との宅地の用地交渉が始まる。

 町の魅力を発信する機会を逃さず、そして住民の意見を国に届けられるか、木賊氏の手腕が問われる。(須賀川支社・秋山敬祐)