現新3人の争いに 福島県知事選13日告示、1人出馬取りやめ

 

 任期満了に伴う第22回知事選は13日告示され、30日の投開票に向け17日間の選挙戦に入る。告示を前にした12日、立候補を予定していた新人1人が出馬取りやめを表明し、無所属の現職内堀雅雄氏(58)=2期、いずれも新人で無所属の郡山地方労連副議長草野芳明氏(66)=共産推薦、諸派の会社経営高橋翔氏(34)の3人による争いとなる見通しだ。3選を目指す現職に県政の転換、刷新を訴える新人が挑む構図となる選挙戦が始まる。

 内堀県政2期8年の評価や東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針をはじめとする復興施策、人口減対策などが主な争点。物価高や新型コロナウイルスの感染防止、経済再生など、県民生活に直結する喫緊の課題についても論戦が期待される。

 内堀氏は本年度スタートした県総合計画に基づき「ひと、暮らし、しごと」の3分野に八つの基本政策を掲げ、原子力災害からの復興・再生と健康長寿、産業振興を軸とした公約の実現を訴える。自民、県民連合、公明の県議会各会派や連合後援会、農業、商工、医師、中小企業、建設などの各団体、連合福島などで選対本部を組織し、県町村会、農業、商工団体などの推薦も受け、組織戦を展開する。選対は前回2018年の知事選を上回る66万票の得票目標を掲げ、2期8年の実績や本県の未来への思いを、59市町村をくまなく回って県民にじかに訴えていく考えだ。

 草野氏は、県労連や共産党県委員会などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」が支援する。処理水の海洋放出方針に反対の姿勢を打ち出し、汚染水増加防止対策として広域遮水壁の設置を訴える。また元高校教諭として、県立高校改革による統廃合の見直しや全県での給食費の無料化、エアコン代など保護者負担の軽減なども公約に掲げる。このほか全国一律最低賃金1500円の実現や石炭火力発電の廃止、選択的夫婦別姓やパートナーシップ制度の導入を目指す。

 前回も立候補した高橋氏は、宇宙産業の振興や子ども・若者への支援拡充などを公約に掲げ、インターネットを中心に浸透を図る。

 立候補は13日午前8時半から県庁で受け付ける。3人とも届け出後、福島市で第一声を行う予定だ。

 鵜沼氏、出馬取りやめ

 知事選に無所属で立候補を予定していた新人で合同会社代表社員の鵜沼誠氏(43)は12日、出馬を取りやめると表明した。鵜沼氏は理由として、海外取引先事業に障害が生じる可能性があり、選挙期間中に海外に出向くことで公約を有権者に直接訴えることができないこと、取引先にも迷惑をかける恐れがあることを挙げ「準備不足を実感している」とした。