郡山が十回サヨナラ、激闘制す

 
【郡山―白河】10回裏郡山タイブレーク1死二、三塁、サヨナラ打を放った黒羽(左から2人目)をたたえるナイン=あいづ球場

 第75回春季東北地区高校野球県大会は17日、あいづ球場(会津若松市)と白河グリーンスタジアム(白河市)で準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決まった。郡山は延長十回タイブレークの末、白河を8―7で破った。郡山は27年ぶりの4強。日大東北は光南に13―6、聖光学院は会津北嶺に11―0、学法石川は相馬に7―0といずれもコールド勝ちで準決勝に駒を進めた。大会第4日の20日はあいづ球場で準決勝2試合が行われる。

 ◇準々決勝 ▽第1試合(9時54分)
白河
 202 030 000 0 ―7
 000 150 001 1X―8 
郡山
(延長10回タイブレーク)
▽三塁打 黒羽、根本(郡)▽二塁打 鈴木慶、遠藤(白)田母神、佐久間、小出(郡)▽暴投 藤田2、森川(郡)
▽試合時間 2時間50分

 【評】郡山が延長タイブレークの激闘をサヨナラで制した。九回に小出の適時打で追い付き、迎えた延長十回は1死二、三塁から黒羽の適時打で決着をつけた。白河は最大6点のリードを守ることができなかった。(熊田紗妃)

 人生初サヨナラ打「迷いなく振れた」

 勝利を確信すると右拳を天高く突き上げながら仲間の歓喜の輪に加わった。今大会初の延長戦となった緊迫の試合は、郡山の黒羽悠斗(3年)が終止符を打った。人生初のサヨナラ打を「迷いなく振れた。冬場の練習の成果を発揮できた」と興奮気味に振り返った。

 黒羽はまず、献身的な右翼守備で勝利への足がかりを築いた。八回は後ろに下がってきた二塁手のグラブからこぼれ落ちた飛球を滑り込んで捕球。さらに延長十回には、頭上を越えるかと思われた大飛球を左腕を懸命に伸ばして捕球し、無死一、二塁から始まるタイブレークをゼロでしのいだ。

 守備で流れをつかんだ郡山。延長十回裏1死二、三塁の好機をつくり、打席には勢いに乗る黒羽。「前に突っ込まないことと上位打線につなぐことを意識した」。内角低めの直球を強振。打球は左翼前で弾み、三走溝口莉玖(2年)が生還した。試合終了直後、黒羽の目から自然とこぼれた涙が激闘を物語っていた。

 守備に打撃に存在感を示した黒羽。「やってきたことを信じて戦い抜きたい」。36年ぶりの東北大会の切符を懸け、日大東北との準決勝に挑む。(熊田紗妃)

 攻め続けた白河のエース

 激戦の末、力尽きた。八回から登板した白河のエース坂本陽賀史(ひがし)(3年)は「悔しいのひと言。追い上げられてチームが落ち込んでしまった」とうなだれた。

 初回に先制した白河だったが、五回に1点差に迫られた。継投での登板が多い坂本は、1点差の緊迫した場面でも強気に攻め続けた。九回に同点とされ、迎えた延長十回、最後は甘く入った直球が無情にも三遊間を抜けた。悔しい結果に終わった春季大会。坂本は「夏までに投手陣全体の技術を高めたい」と奮起を約束した。

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