大七酒造、酒造りの終了祝う「甑倒し」 蔵人らの労をねぎらう

 
本年度の無事な酒造りの終了を祝った甑倒し

 大七酒造は2月25日、二本松市の同社で、2021酒造年度の仕込み終了を祝う行事「甑(こしき)倒し」を行い、無事な酒造りの終了に感謝するとともに、蔵人の労をねぎらった。

 甑は、酒米を蒸すためのせいろのような酒道具。甑倒しは、酒米を蒸す最後の日に行われる。本年度は、蒸米担当の久保田博貴さんが釜場の神様に扮(ふん)し、倒した甑の上に座してしつらえた祭壇を前に行われた。

 太田英晴社長が「蔵人たちはあうんの呼吸で作業を進めてくれ、今年も良い仕込みができたと思う」とあいさつ。太田社長、杜氏(とうじ)の佐藤孝信取締役醸造部長らが玉串をささげた。今年は新型コロナウイルスの感染予防のために醸造部以外の出席者を限定、酒造り唄の奉納もやめた。

 同社は、新型コロナの拡大に伴う日本酒の需要低迷で仕込み量を例年の3割程度減産した。このため仕込みも3週間ほど早く終えた。太田社長は「新型コロナが一日も早く収束して、心置きなく酒を味わいながら、語り合える社会になればいい」と話した。