訪日客向け「極上の喜多方ラーメン」 厳選地元産、1杯3000円

 
インバウンド向け喜多方ラーメン「SUGOI」を使ったお膳「OMAKASE」

 喜多方市は、インバウンド(訪日客)向けに地場産品をふんだんに使った「極上の喜多方ラーメン」を開発した。同商品を通じて喜多方の伝統や文化を国内外に発信し、外国人観光客らの誘客促進を図る。2月中旬から同市の「活力再生麺屋 あじ庵食堂」など市内の3店舗で提供を始める。15日、あじ庵食堂で報道陣向けの開発商品発表会が開かれた。

 海外向けに喜多方ラーメンの知名度を上げようと、市や市内のラーメン店、製麺業組合などで構成する「喜多方ラーメンリブランディング事業推進委員会」が昨年10月に開発を開始した。あじ庵食堂の協力を得て、多加水縮れ麺といった喜多方ラーメンの特徴は残しつつ、外国人観光客に好まれる喜多方ラーメンを開発した。

 開発したラーメンは、外国人にとって使い勝手のいい形容詞として好んで使われる「SUGOI(すごい)」と名付けた。麺は県産小麦を含む国産100%の特製中華麺で、市産の「ふくしま会津牛」を地元産こうじで熟成させた牛もも肉1枚を使ったチャーシューなどがトッピングされている。丼は市産の漆器を使った。

 「SUGOI」にワンタンと鳥もつ親子丼、地元酒蔵で生産された会津ミード酒などがセットになったお膳「OMAKASE(おまかせ)」も開発した。

 市は市内で喜多方ラーメンを提供する約90店舗を対象に開発レシピを共有し、順次、提供店舗を増やす。同商品を深く知ってもらえるよう、活用した食材などを追体験できる観光周遊モデルコースも設定する予定。

 あじ庵食堂の店主江花秀安さんは「外国人観光客には喜多方ラーメンだけでなく、県内のラーメン店なども巡ってもらい、土地ごとの食文化を感じてほしい」と話した。価格はいずれも土産用のラーメン箸付きでSUGOIが3000円、OMAKASEが5000円。農家レストラン塩川屋と喜多方ラーメン来夢本店では独自にアレンジを加えた商品を提供する。