特定健診、メタボのリスク指標悪化 福島県、健診項目の半数超

 

 福島県は24日、2018~2020年度の県民の特定健診のデータを分析した結果、メタボリック症候群に関するリスクを示す23項目のうち、半数超の12項目で男女ともに基準の16~18年度よりも数値が悪化したと発表した。男女で悪化した項目が9だった17~19年度からさらに増加しており、県内で生活習慣の予防に向けた健康指標の改善が十分に進んでいない現状が改めて浮き彫りになった。

 県の委託を受けた福島医大健康増進センターが分析した。メタボに関する特定健診項目の比較状況は【表】の通り。分析結果を正確に示すため3年分のデータの合算を比較。16~18年度を100とし、18~20年度の指標がそれよりも悪化したか、改善したかを評価した。

 18~20年度は、男性が15項目、女性が13項目で悪化した。悪化の度合いを示す数値もほとんどの項目で17~19年度を上回った。男女ともに悪化が進んだ項目は、血圧や血糖値、運動習慣、飲酒量などメタボのリスクが高まるとされる健診の数値や生活習慣などで、メタボと判定される人の割合も男女で基準の16~18年を上回った。一方、改善した項目は、善玉(HDL)コレステロールの数値や睡眠時間など4項目。中性脂肪や喫煙などは横ばいや男女間で差があった。

 また、各項目の悪化や改善の傾向については地域差も鮮明となった。男女がいずれも悪化した項目を2次医療圏別に見ると、相双が15項目と最も多く、会津・南会津と県中が10項目と続いた。悪化が最も少なかった県北は悪化が3項目のみだったのに対し、7項目では改善が進んでいた。

 県内は、厚生労働省が公表した2021年度の県民がメタボに該当した割合でも全国の都道府県でワースト4位の19・2%と低迷が続いている。県は指標悪化の要因について、適切な生活習慣が根付いていないことや新型コロナウイルス禍による外出の機会減少などが一因と分析。県は「長年の結果で指標が悪化しており、これまでの対策を見直す必要がある。具体性のある対策をさらに打ち出して周知、浸透を図っていく」(健康づくり推進課)とした。