減塩・禁煙・脱肥満、県民総参加で「脱メタボ県」へ 県が重点推進

 

 福島県は新年度、県民の健康長寿実現に向けて健康指標改善が喫緊の課題となっている「減塩」「禁煙」「脱肥満」を重点とした健康づくりの取り組みを推進する。新たに「みんなでチャレンジ!減塩・禁煙・脱肥満」をスローガンに掲げ、県民が一丸で取り組む機運の醸成につなげたい考えだ。6日、福島市で開いた「健康長寿ふくしま会議」で示した。

 県内は、代表的な健康指標の一つであるメタボリック症候群の該当者と予備軍を合わせた県民の割合が31・9%で全国ワースト3位(2021年度調査)と低迷しており、肥満者の割合も男性が同6位、女性は同4位と全国下位に位置する。ほかにも、1日当たりの食塩摂取量は男女とも同2位、喫煙率は男性が同1位、女性が同2位となるなど、改善が急務な状況にある。

 県は新年度から12年間の健康づくりに関する施策の指針として「第3次健康ふくしま21計画」の策定を進めており、将来的な県民の健康指標改善に向けた目標を明記。初めて掲げるスローガンも計画に盛り込み、県民総参加の継続した取り組みにつなげる方針だ。

 計画初年度となる24年度は特に、重点とする三つの課題解決に取り組む。メタボ対策では、県民の「脱メタボ」機運の醸成を図るための情報発信を進めるほか、毎月1日、11日、21日を「ふくしまウォーキングデイ」とし、ウオーキングの推進などへの取り組みを進める。

 減塩に向けては、県内企業や団体による新たな推進体制を整備するほか、働き盛り世代の食塩摂取量を把握するモデル事業を通じてバランスの良い食生活改善の実践を図る。また、幅広い世代に喫煙や受動喫煙のリスクを伝える啓発の取り組みで、喫煙率の減少につなげたい考えだ。

 会議で内堀雅雄知事は「ここからがまさに本格的なスタート。今後は肥満、食塩、喫煙の健康課題改善に向けた効果的な取り組みが大切だ。皆さんと力を合わせて県民の健康づくりに取り組んでいく」と述べた。