乳歯も大切

 

 小学生の時期仕上げ磨きを

 乳歯は個人差があるものの、生後6カ月ごろから生え始め、永久歯は早い子どもで5歳ごろから生え始めます。乳歯は生え変わるからそんなに大切ではないかな...と思われる保護者の方もまだまだ多いのではないでしょうか?

 永久歯は下の前歯や6歳臼歯といわれる奥歯から生え始め、すべての歯が永久歯に変わるのは小学校5、6年生です。言い換えれば、10--12年は乳歯が存在しています。また、まれではありますが、永久歯がもともと存在していない方は大人になっても乳歯が口の中に存在します。

 乳歯が虫歯によって早期喪失してしまった場合や虫歯を放置したことにより大きな穴が開いてしまった場合はさまざまな影響があるといわれています。

 穴が開いてしまった場合は食べ物が挟まると痛みがあったり、歯の根っこの先に膿(うみ)がたまった場合は痛みのほかに歯肉が腫れたりという症状が見られます。歯が崩壊している場合はうまく食べ物をかむことができずに食が細かったり、逆に丸のみに近い状態になっている子どももいます。このことで体やあごの成長にも影響が及ぶのも事実です。また歯並びが悪くなる原因の1つともいえます。

 幼稚園のころは一生懸命仕上げ磨きを行っていても、小学校に上がると仕上げ磨きを行う家庭が一挙に減ります。しかし、小学生の時期が一番生え変わりの多い磨きにくい環境に置かれるため、仕上げ磨きを行ってもらいたい時期でもあります。

 最近は両親ともに仕事を持ち忙しい家庭が増えていますが、幼稚園のころは生活習慣の中に歯磨きがあることを教える時期、小学生のころは自分の歯を長く使えるように口の中の環境を整える時期と考えてはいかがでしょうか?

 

(県歯科医師会)