いわきFC際立つ堅守 1試合平均失点は0.83点、好調を維持

 
「今季は連携ができている」と語るDF日高(左)。右は山下

 サッカーJFLのいわきFCは今季、J3昇格に向け好調を維持する。第16節まで無敗を貫き、現在12勝5分1敗。5月中旬から首位を走り続ける。勝ち点41と34得点15失点は、チームが今季掲げた「勝ち点70、70得点30失点」に迫るペースだ。好調の要因と後半戦の展望を追う。

 好調につながっているのがチームが徹底する「攻撃のための守備」だ。敵陣深くから選手が連動してプレスをかけ、相手ゴール近くでボールを奪って速攻につなげる。積極的な守備で1試合の平均失点は昨季からほぼ半減の0.83点。堅守が安定した戦いを支えている。

 守備陣の裏の広いスペースを狙われ、チーム全体が間延びした試合もあったが、試合を重ねる毎に選手間の意思統一が進み改善してきた。DF日高大は「昨季はセンターバックが孤立気味だったが、今季は中盤、前線と連携できている。ピッチ上でのコミュニケーションも増え、凡ミスも少なくなった」と手応えを語る。

 一方の攻撃は、物足りなさも残る。田村雄三監督は「カウンター攻撃でボールを奪われることが多い。もっとシンプルに攻めたい。判断の精度も上げられる」と語る。

 チーム得点王は新加入のFW古川大悟。現在8得点を上げ、リーグランキングでも3位につける。古川は「戦術が自分の特徴を最大限に生かしてくれている」と語り、リーグ得点王に狙いを定める。

 昨季は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で夏場の試合がなかった。田村監督は「9月を首位で乗り切れれば、(優勝が)見えてくる」と後半戦に臨む。次節は29日午後2時から、春野総合運動公園陸上競技場(高知市)で高知ユナイテッドSCと対戦する。