いわきFC、リード守れず カターレ富山と1-1、岩渕先制弾

 
【いわき―富山】前半20分、先制ゴールを決めるいわきのMF岩渕〈19〉=いわきグリーンフィールド

 いわきFCは3日、ホームのいわきグリーンフィールドでカターレ富山と戦い、1―1で引き分けた。通算成績は2勝2分け。順位は1つ落として5位となった。いわきは次戦の10日、敵地の長野Uスタジアム(長野市)でAC長野パルセイロと戦う。午後2時開始予定。

いわきFC、勝ちきれず カターレ富山と1-1、岩渕が先制弾

 【評】いわきは前半に先制したが、後半に一瞬の隙を突かれて追い付かれ、リードを守り切ることができなかった。前半は敵陣に素早くロングボールを送り込む攻撃が機能し主導権を握り、前半20分、MF岩渕が頭で先制ゴールを決めた。風下に立った後半は相手に押し込まれる時間が増えた。粘りの守備を見せていたが後半37分に相手FWに抜け出され、同点ゴールを決められた。(小磯佑輔)

 岩渕、今季初得点

 チームの「得点王」による今季初得点が、いわきに勢いをもたらした。MF岩渕弘人は先制ゴールを決め、「開幕からJのレベルの高さを感じていた。得点できてほっとしている」と笑みを浮かべた。

 前半20分、DF嵯峨理久のクロスに頭で合わせた。「素晴らしいクロスが上がった。あとは触るだけだった」と、ボールを軽く頭に当ててゴールに流し込んだ。

 「練習の成果が出た」と振り返る。ここ2、3週間、自主練で重点的に取り組んできたメニューの一つがヘディングシュートだったからだ。得意ではないが、「やり続ければ上手くなる」というコーチの言葉を信じて練習を続けた。そのかいもあり、この試合はヘディングの良い感触をつかんで臨んでいた。

 開幕前のJクラブとの対外試合3試合で、チームで一番多くの得点を挙げた「得点王」。昨季はチーム内競争に負け、序盤は出場機会がなかったが今季は開幕から4戦連続で先発出場しており、村主博正監督の信頼を勝ち取っている。「チームはまだ負けていないが、だからと言って自分たちが強いとは思わない。謙虚にやるべきことを続ける」と岩渕。初得点におごらず、成長を誓った。(小磯佑輔)

 嵯峨またアシスト

 いわきのDF嵯峨理久がこの日もきっちり仕事をこなした。先制点をアシストし、2試合連続のアシストを記録。「良いイメージを持てている」と手応えを語る。

 前節とほぼ同じ形の得点演出だった。右サイドの敵陣ペナルティーエリア脇でボールを受けると、鋭い切り返しで相手選手を振り切って左足でクロスを上げ、MF岩渕弘人の頭にぴたりと届けた。味方から「左右の足から良いクロスを蹴ってくれる。攻撃陣は感覚で分かっている」(岩渕)との声が上がり、信頼は極めて厚い。「もっと質を上げれば前線の選手もさらに点を決められる。挑戦を続ける」と、更なる活躍へ決意を口にした。