いわきFC、90分間圧倒 プレス機能、15位から9位浮上

 
【いわき―徳島】後半26分、決勝点を決め仲間と喜ぶいわきのFW谷村(中央)=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2のいわきFCは19日、ホームのいわきグリーンフィールドで徳島ヴォルティスに1―0で勝利し、2連勝としたいわきFC。順位は22チーム中15位から9位に大きく浮上した。

230320iwakifc601.jpg 【評】度々決定機をつくったいわきが1点を守り、連勝を成し遂げた。細かくパスをつないで前進を図る徳島を、いわきが連動したプレスで阻む構図が90分間を通して展開された。いわきは前半、徳島に何度か好機を許したが、次第に攻勢を強めた。後半は一層のいわきペースとなり、後半26分、コーナーキックの流れからFW谷村が先制ゴール。その後も強度を落とさず、徳島を完封した。(小磯佑輔)

 シュート数22本の猛攻

 「(J2でも)戦えるんじゃないかと、開幕からずっと感じていた」。村主博正監督の言葉が日々説得力を増している。「らしさ」あふれる戦いぶりを貫いたいわきは、相手の4倍以上となる22本のシュートを放つ猛攻を見せて完勝した。

 いわきの生命線である連動したプレスが、この日も相手を苦しめた。片方のサイドで数的優位な状況をつくり出してボールを奪うとともに、人数をかけた分厚いカウンターで何度も決定機を演出した。

 いわきの選手を惑わせようと、徳島は何度も選手の立ち位置やフォーメーションを変えたが、いわきは動じなかった。村主監督に言わせれば「立ち位置をずらしても、ボールは一つしかない」からだ。最後まで流れを渡さず、得意とするセットプレーで得た1点を守り抜いた。

 戦い方に自信を深めているが、課題もある。開幕から5試合で6得点を決めているが、セットプレーからの得点が多く、流れからの得点は開幕戦以来生まれていない。「もっと決定力を上げたい」。決勝ゴールを決めたFW谷村海那は反省を口にする。

 次の相手は首位町田。強豪との戦いが続くが、谷村は「首位だからと気にせず、ガツガツ得点を狙っていく」と意気込む。(小磯佑輔)