町田の黒田監督は高校の恩師 山下、嵯峨選手 成長した姿で奮闘

 
試合開始前、町田の黒田監督(左)にあいさつするいわきの山下(右)と嵯峨=26日、いわき市・いわきグリーンフィールド

 いわきグリーンフィールド(いわき市)で26日に行われたサッカーJ2のいわきFC―FC町田ゼルビア戦。いわきの主将MF山下優人と副主将DF嵯峨理久は特別な思いでこの一戦に臨んだ。町田を率いる黒田剛監督は、母校青森山田高時代に指導を受けた恩師だからだ。2人は「成長した姿を見せたい」と攻守に奮闘した。

 青森山田高で監督を務め、同校を屈指の強豪に育てた黒田監督は、嵯峨にとって「自分の良さを見つけてくれた監督」だという。「運動量や攻守の動き、戦う姿勢など、今の(自分の)サッカーのベースをつくってくれた」と感謝する。一方の山下は高校時代、「これ以上に苦しいことは今後ないんじゃないか」と思うほど厳しい日々を過ごし、人間性を磨いたという。

 2人は試合前に黒田監督の元を訪れあいさつ。試合にはともにフル出場し、雨の中積極的なプレーを繰り広げたが、いわきは0―1で惜しくも敗れた。

 黒田監督は「相手にしてみれば嫌な存在。(2人の)たくましさを感じた」と教え子たちの成長を喜び、「青森山田で育った選手がJ2のチームの中心を担っていることに感謝したい。彼らにはまだまだ上を目指して頑張ってもらいたい」とエールを送った。

 山下は「全然ダメだった。次やるときにはもっと存在感のあるプレーをして成長した姿を見せたい」と、恩師との再戦へ闘志を燃やした。嵯峨も「次こそ勝って恩返しをしたい」と意気込んだ。いわきと町田は10月1日に再び相まみえる。