いわきFC、5試合ぶり勝利 FW有田活躍、群馬に2-1

 
【いわき―群馬】後半4分、左足で2点目を決めるいわきのFW有田=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第10節ー。いわきFCは16日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)でザスパクサツ群馬と対戦し、2―1で5試合ぶりの勝利を挙げた。通算成績は3勝2分け5敗。順位は三つ上げ、22チーム中16位に浮上した。

 いわきは前半6分にFW有田稜の得点で先制すると、その後も主導権を握って度々好機を演出した。後半も勢いは衰えず、後半4分に有田が追加点を挙げた。同19分にカウンターから失点したが、その後は懸命な守備で群馬の反撃をはね返した。

 いわきの次戦は23日。アウェーのカンセキスタジアムとちぎ(宇都宮市)で19位栃木SCと対戦する。午後2時開始予定。

いわきFCの試合結果

 【評】いわきは前後半の立ち上がりにそれぞれ得点し、試合を優位に進めた。先制して勢いに乗ると、パス回しで揺さぶりをかける群馬に動じずプレスをかけ、何度もカウンターを仕掛けた。追加点は、相手を押し込んだ攻撃から生まれた後半初の好機をものにした。最後の30分間は攻撃のテンポを上げた群馬に押し込まれる時間が長かったが、体を張った守りで耐え、1失点に抑えた。(小磯佑輔)

 有田2発、谷村と絶妙ホットライン

 エースの活躍で4戦未勝利という長いトンネルを抜けた。この日の2得点はいずれも、いわきらしく多くの選手がボールに関わる崩しから生まれた決定機を、FW有田稜が仕上げた。「(これまで)チームの力になれていなかった。得点できほっとしている」と笑みをこぼした。

 前半6分、中盤からショートパスがつながった。4本目のスルーパスがFW谷村海那の下に渡る際、ゴール正面の有田は「ちょっと止まった」。この動きによりできたパスコースに谷村が冷静にボールを通し、有田がほぼ無人のゴールに流し込んだ。「ゴールの90%は海那さんのもの。僕は10%」と感謝した。

 後半4分の2点目も、抜け出した谷村のパスを押し込んだ。「2点目も海那さんのパスが良かった」と語る有田だが、相手を押し込む間で何度も動き直しをしていた。昨季から磨き続けている、シュートを打つ場所と態勢を探し続ける動きが光ったゴールだった。

 8試合ぶりの得点となったが、得点以外での貢献はこれまでも大きかった。屈強なJ2のDFと渡り合うため、今季は体重を初めて80キロ台に乗せて臨んでいる。増量が生んだ力強いポストプレーはこの日特に冴え、チームの分厚い攻撃を支えた。「(起点となるプレーは)ほぼ完璧だったと思う。この体にも慣れてきている」

 9日間で3試合を行う過密日程の最終戦。体力面の苦しさと、連敗中という精神面の苦しさをはね返して勝利できたのは「自分たちのタフさが出たからだと思う」と有田は語る。「この勢いで勝ちをつなげる」。昨季J3得点王は次戦の勝利を誓った。(小磯佑輔)