いわきFC、10敗目 秋田と競り合い互角...痛恨PK献上、J2

 
【いわき―秋田】後半にPKを献上して秋田との東北ダービーに敗れたいわきイレブン=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第15節-。いわきFCは14日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)でブラウブリッツ秋田と戦い、0―1で敗れた。いわきの通算成績は3勝2分け10敗で順位は22チーム中、最下位のまま。

 試合を通してロングボールが飛び交い、中盤で激しいボールの競り合いが続いた。互いに好機をつくりながら最後の決め手を欠いていたが、後半31分にいわきが自陣ペナルティーエリア内で痛恨の反則を犯し、PKを献上。PKから先制した秋田に逃げ切りを許した。

 いわきの次戦は17日。同会場で21位大宮アルディージャと対戦する。午後7時開始予定。

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 【評】いわきは上位秋田と互角に渡り合ったが、一発退場とそれによるPKの流れで決勝点を許した。コンパクトな布陣や球際の厳しさ、ハードワークを重視するチーム同士の戦いは終始激しい競り合いが繰り広げられた。長く膠着(こうちゃく)状態が続いて迎えた後半31分、自陣ペナルティーエリア内で相手と接触したMF嵯峨が退場判定。相手に与えたPKをはじいたもののこぼれ球を決められた。(小磯佑輔)

 復調への足掛かり

 大敗した前節の反省を踏まえて秋田戦に臨んだいわき。失われつつあった球際での厳しさが戻り、相手の良さを消す戦いも機能した。連敗ストップとはならなかったが、復調の足がかりを見せた試合だった。

 放ったシュートは互いに6本にとどまるなど、守り合う堅い試合展開となった。守備でいわきが効果的だったのは、秋田対策の新システム「4―2―3―1」だ。

 秋田はボールを奪うと迷いなくロングボールを蹴り込むスタイル。いわきはボールの奪い合いが頻発する中盤を分厚くしたことでこぼれ球の回収力を向上させ、DF陣は簡単に攻撃参加しないことで相手FWに対して数的優位をつくった。個人の技量では秋田が上回ったが、攻撃の分厚さではいわきに分があった。多くの選手がボールに絡んで敵陣へ侵入する回数は秋田より多かった。

 引き分けが見えてきた終盤、MF嵯峨理久がPKを献上して一発退場したことが勝敗を決めた。厳しい判定に激しく抗議したいわきの選手ら。試合後にも「もどかしい」や「しょうがないことだが、複雑な気持ち」などと無念を語った。

 ただ退場までの流れを見ると、終盤のいわきがガス欠気味だったことは否めない。「どっちが点を取るかという展開で先に点を取らないといけなかった」と反省するのは今季初先発で奮闘したFW吉沢柊。吉沢に象徴される控えのフレッシュな力をフル活用できるかどうかは、今後の巻き返しに関わる。シーズンは中盤戦が始まったばかりだ。(小磯佑輔)