いわきFC、熊本に0-4で敗れる ペース握れず...決定機逃す

 
【いわき―熊本】後半27分、ドリブルで前線に運びゴールに迫るいわきのMF山下(中央)=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第19節-。いわきFCは3日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)でロアッソ熊本と対戦し、0―4で敗れた。いわきの通算成績は4勝4分け11敗で、順位は22チーム中21位のまま。

 いわきは前半16分に左サイドを崩され先制を許すと、その6分後にはCKから失点。後半も13、18分と立て続けに失点した。攻めては14本のシュートを放ったものの、得点できなかった。

 いわきの次戦は11日。アウェーのNDソフトスタジアム山形(山形県天童市)で、13位モンテディオ山形と対戦する。午後2時開始予定。リーグ戦に先立ち7日には、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム(徳島県鳴門市)で行われる天皇杯全日本選手権2回戦で同じJ2で18位の徳島ヴォルティスと対戦する。午後7時開始予定。

230604iwakifc2.jpg 【評】いわきは攻守に精彩を欠き、敗れた。前半は熊本の巧みなパス回しを食い止められず、受け身となった。前半16分に左サイドを崩されて先制を許すと、同22分にはCKから2失点目。後半は積極的な選手交代で一時は攻勢を強めたが、前がかりになったところを攻め込まれて失点を重ねた。攻撃では決定機を何度かつくったが、精度が安定せず、ペースを握ることはできなかった。(小磯佑輔)

 集中力欠き攻守ちぐはぐ

 試合終了のホイッスルが鳴ると選手はうなだれ、前を向くことができなかった。「自分たちから勝ちを手放したようなゲームだった。二度と繰り返してはいけない」。いわきの村主(すぐり)博正監督の表情は険しい。「なんて言えばいいか...。難しいです」。主将のMF山下優人は言葉が続かなかった。

 前半から苦しい展開を強いられた。パスミス続きで自陣から抜け出せなければ、ボールの奪いどころも定まらない。あっさりとゴール前を崩され先制を許すと、CKではフリーの選手に決められ、点差を広げられた。村主監督は「ボールから目を離したりしているうちに失点してしまった」と、集中力が欠けたプレーが続いたことを挙げる。

 試合を通して、ショートパスをつなぐ熊本に対し、前線がプレスをかけられず、DF陣がピンチにさらされる場面が多かった。戦術面で「統一ができなかった」と山下。守備的MFとサイドバックを務めたMF宮本英治も「相手を追う必要がある時とない時がある。そのバランスをチームですり合わせることができなかった」と振り返った。

 後半は選手を入れ替えて逆襲を試みたが、逆に失点を重ねてしまう。「勝ちたい気持ちを表現できなかった」という村主監督のコメントが、この試合を表しているようだった。厳しい3連戦の船出だが、前を向くしかない。宮本は「内容を劇的に変えることは難しいが、戦う気持ちは変えられる」と次戦を見据えた。(小磯佑輔)

 3試合ぶりの永井、存在感

 後半開始から出場したいわきのMF永井颯太が、左サイドハーフで奮闘した。果敢にゴールに迫るドリブルで存在感を示した。だが得点を生むことはできず「(試合の)流れを変えてヒーローになる覚悟でピッチに入ったが、最後まで流れを変えることができなかった」と険しい表情を見せた。

 出場停止と左足のけがで離脱し、5月17日の大宮戦以来、3試合ぶりの出場。ドリブルで敵陣に切り込み3本のシュートを放つも、枠を捉えることができなかった。「攻撃的な選手なので、1点も取れなかったのが問題。得点に絡んで勝利に貢献できる選手になりたい」と前を向いた。