いわきFC奮闘、全力尽くした 田村監督初陣「選手は100点」

 
試合終了後、選手をねぎらう田村監督(左から2人目)

 いわき市で18日に行われた千葉戦で引き分けたサッカーJ2のいわきFC。選手は試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチに倒れ込んだ。下位に沈むチームを立て直そうと全力を尽くした証しだった。勝利には届かなかったが、田村雄三新監督の初戦で3試合ぶりの勝ち点を獲得。サポーターも「選手の気迫を感じた」と話し、再出発しようともがく選手の奮闘をねぎらった。

 原点回帰を印象付ける戦いぶりだった。田村監督から就任後、「失点を怖がり、ボールを受けたがらず、ミスを恐れている」と評された選手たち。「魂の息吹くフットボールを取り戻す」。選手たちはこの合言葉をプレーで体現、3試合ぶりに無失点に抑えた。主将のMF山下優人は試合終了後、「戦うこと、走ること、味方を追い越すこと。大切な部分がチームに出てきた」と振り返った。

 選手たちは村主(すぐり)博正前監督への思いも胸に戦った。MF宮本英治は「ぐりさん(村主前監督)が責任を取る形となったが、監督が変わっただけでは意味がない。自分たちで仕切り直し、原点に立ち返って準備してきた」と千葉戦に懸けた思いを語った。

 リーグはこれから後半戦に突入する。田村監督は「いろいろなことがある中、選手は乗り越えてくれた。きょうは100点」とねぎらい、「ただ点を取れなかったので満足していない。次は120点にしなければいけない」と選手のさらなる奮起を期待した。

 サポーターら「気合感じた」

 ホームのいわきグリーンフィールドには3350人が駆け付け、いわきサポーターが声をからした。いわき市の会社員芳賀伊左美さん(46)は「気合を感じた。貪欲にボールを奪いに行こうと走る姿が印象に残った」と後半戦の戦いに期待した。

 同じくいわき市の会社員星弘志さん(49)は「早くJ3降格圏を抜けてほしい。また応援したい」とエールを送った。