楢葉の医療機器会社、破産手続きへ 負債2億3700万円

 

 信用調査会社の東京商工リサーチいわき支店によると、放射線がん治療装置製造業のJ―BEAM(旧社名は福島SiC応用技研、楢葉町)は地裁いわき支部から破産開始決定を受けた。決定は11日付。負債額は約2億3700万円。

 同社は京都府などと進めた産官学の取り組みを経て、2014年9月に県内で設立。東京電力福島第1原発事故に伴う国の補助金などを活用して16年3月に楢葉町の工場跡地を買い取り、放射線がん治療装置の開発などを手がけてきた。

 第三者割当増資で18年12月と20年9月に計41億円を調達したが、研究開発投資で多額の費用が発生し、21年12月期は最終赤字14億円超となった。

 23年3月に現在の商号に変更し、新体制となったものの、設備投資負担が重く、資金繰りに行き詰まり、今年2月までに事業を停止した。