早見優さん、新曲はアイドルの恋 若い人の「いいね」うれしい

 
「福島は人情深くてフレンドリーなところが印象的です」と話す早見さん=郡山市

 歌手、タレント、司会業とデビュー以来多方面で活躍を続ける早見優さん。最近の80年代Jポップブームで、自身の過去のヒット曲も再注目されている。イベント出演のため郡山市を訪れた早見さんに今の思いを聞いた。

 郡山でイベント

 アイドル時代は、常磐ハワイアンセンター(当時)の歌謡ショーのステージによく出演していたという早見さんだが、震災後は動物保護のボランティアとしてプライベートで本県を訪れていたという。福島の印象は「自然が豊かな場所。人情深く、フレンドリーなところが印象的です。地元愛の強さもうらやましいです」と話す。

 8月には新曲「Shampoo」(シャンプー)を配信リリースした。韓国人プロデューサーでDJのNight Tempo(ナイト・テンポ)とコラボレーションした、新しいのにどこか懐かしさも感じる、アップテンポなダンスナンバーだ。自身が手掛けた歌詞のテーマは「ステージを降りた後のアイドルの恋」。「アイドルは恋愛禁止だけれど、それでも恋をしたいという気持ちを、フィクションを交えながら書きました」と語るちょっと思わせぶりな歌詞は、どこまでがフィクションなのか、やきもきさせられる。

 「Shampoo」の縁

 この新曲のタイトルを聞いて、ある年代以上の読者なら、80年代に流行したシャンプーのコマーシャルを思い出さずにはいられないだろう。そのことについて「(1982年の)デビュー曲『急いで!初恋』がヘアコロンシャンプーのCMに起用され、約40年後に『Shampoo』というタイトルの曲を出せるなんて、不思議ですよね」と思いを巡らせる。

 最近、80年代のジャパニーズポップスが見直されていることについては、「以前は『夏色のナンシー』(83年発売)は懐メロと言われていたのが、今は20代の人がいいねと言ってくれて、新しい曲として聴いてもらえてうれしい。80年代の音楽はメロディーも覚えやすく歌詞も口ずさみやすい。(作詞家の)松本隆先生などが書いてくださった歌詞は、情景も浮かぶし言葉が美しい。そういうところも受けているのかも」。

 自身の過去の曲「Beat Lover」などもNight Tempoによる新アレンジで発表された。「当時よりテンポを少し落として、グルーブ感を増やしたアレンジになっているので、新鮮で、新曲のように歌っています」

 ステージ 観客魅了

 5日には郡山市で開かれた「ウィンターフェスティバルinなかまち夢通り」のステージに出演。「Shampoo」「急いで!初恋」のほか、「夏色のナンシー」「渚のライオン」「誘惑光線・クラッ!」などヒット曲を次々と披露し、集まった大勢の観客たちも手拍子や掛け声で応えた。

 この前日にも、東京の日比谷野外音楽堂で行われたイベントのステージに立った。さらに来年にかけてライブの予定が続き、歌手としての活動もますます多忙に。

 「これからも歌い続けたい。この3年間(コロナ禍で)ライブができなかった時に、ファンの方たちと会えなかったことが、とてもつらかった。それまで当たり前だと思っていた、同じ空間で音楽を共有できることの大切さを実感した。一回一回のライブを大切にしていきたいです」

231119news022.jpg配信中のシングル「Shampoo(feat.Yu Hayami)」

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 はやみ・ゆう 日本生まれ。3歳から14歳までをグアム、ハワイで育つ。14歳でスカウトされ、1982年歌手デビュー。バイリンガルと国際感覚を生かし、テレビや舞台などで活躍。上智大比較文化学部日本文化学科卒業。2022年、デビュー40周年を迎えベストアルバム「Affection~Yu Hayami 40th Anniversary Collection~」発売。NHKワールド「Dining with the Chef」、NHKラジオ「深夜便ビギナーズ」レギュラー出演中。また、BS―TBS「昭和歌謡ベストテンDX」の司会を務める。