「高校三年生」「北国の春」国民栄誉賞の作曲家別荘、宿泊施設に

 
囲炉裏を前に、利用を呼びかける渡辺会長

 楢葉町でバス・旅行代理業などを営む「ウインズトラベル」が、町内の築約100年の古民家を再生した宿泊施設「ぞ・ぞ庵」がオープンした。囲炉裏やかまどなど古民家の雰囲気を生かした設備に加え、「高校三年生」「北国の春」などを作曲し国民栄誉賞を受けた作曲家の故遠藤実さんの別荘だった逸話が売りだ。

 遠藤さんが古民家の周囲の景観を気に入って購入し、滞在していたという。近年になって遺族が手放すと知り、同社が購入して改修を進めてきた。渡辺修三会長は「当初は宿泊施設として貸し出す考えはなかった。だが、多くの人に古き良き里山の暮らしを体験してもらいたいと思うようになり一念発起した」と語る。

 平屋の母屋と2階建ての離れで構成。母屋は和室3部屋があり、半露天風呂にサウナも完備され、最新のシステムキッチンやトイレなど快適設備が充実している。離れは1階に広々とした土間、2階は洋室2部屋に各2台のベッドが配置されている。親子3世代や合宿・研修など大人数での利用を想定している。

 渡辺会長は、宿泊施設を通して町の交流人口拡大や地域経済の循環の誘発につなげたいと考えており「観光や体験が楽しめる古民家。ぜひ縁側から楢葉の風景を見てほしい」と利用を呼びかけた。詳細は宿泊予約サイト「じゃらん」で。問い合わせは同社(電話0240・26・1323)へ。

ぞ・ぞ庵楢葉町にオープンした宿泊施設「ぞ・ぞ庵」=楢葉町上繁岡