鶴ケ城など会津の名所をインターネット上に構築された仮想空間（メタバース）に再現し、公開する取り組みが３月に始まる。関係者は、旅行を疑似体験してもらうことで会津の魅力を広く発信できるのに加え、歴史的建造物の後世への継承にも役立つと期待する。

　一般社団法人ＪＤＸ日本の伝統継承と革新の会の取り組みで、２日までに観光庁の「仮想／拡張現実（ＶＲ／ＡＲ）を活用した情報発信手法等に関する調査事業」に採択された。

　同法人の木村貴志代表理事は「歴史的資産や地域の魅力をデジタルデータで保存することは、災害からの復興時の再現力を高める。この取り組みを福島から全国に広げることは地域のＰＲだけでなく、文化的遺産の保護にも大きな意味を持つ」と説明する。

　同法人によると、メタバース上で再現した鶴ケ城の公開を３月に始め、その後は七日町通りや会津武家屋敷など会津全域の名所を順次追加する予定だ。維持費は年数万円と低く設定されており、長期にわたる運用を目指すという。