eスポーツで県内企業交流 福島民友社員7人参戦、人間性見えた!?

 
現実ではあり得ない戦いができることが新鮮な「ハドー」。近未来的な体験ができた

 コンピューターゲームで対戦する競技「eスポーツ」。福島県郡山市で昨年12月に開かれた県主催の大会「ふくしまeスポーツビジネスカップ」では、福島民友新聞社など県内企業チームの参加者がゲームを通した新スタイルの交流を楽しんだ。大会の様子を紹介する。(取材班)

 eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略で、国際大会開催や五輪種目採用が検討されるなど、世界で注目されている。県主催のeスポーツ大会は初めてで、ゲームを活用した企業内の世代間ギャップ解消、企業間交流、地域活性化を図ろうと企画された。報道機関やIT系企業など8チームが参加し、福島民友新聞社も20~50代の社員7人が参戦した。


 種目は自動車レースゲーム「グランツーリスモ7」、サッカーゲーム「eフットボール2024」、拡張現実(AR)を活用した「HADO(ハドー)」の三つ。グランツーリスモ7では、運転好きな社員AがBMWのGT仕様車で出場。臨場感ある画面を見ながらのハンドルとペダルの細かな操作は想像以上に難しい。コース取りなどの頭脳プレーも必要で、思うようなレース運びができず苦戦し、3位入賞に甘んじた。

 eフットボールには社員B、Cがエントリー。2対2のため仲間との連携が大切なのだが、互いに声をかけ合っても、パスがうまく通らない。次第に両者間にイライラした気持ちが高まって失点が相次ぎ、2点差で敗れてしまった。

 ハドーは、ゴーグル内に現れる「エナジーボール」を打ち合う、ドッジボールや雪合戦のような競技。社員Dらが3対3の試合に出場し、現実ではあり得ないプレーをデジタル空間で体験した。

 ゲームを通し、他チームと声をかけ合ったり、ゲームの話で親しくなったりと、交流の輪を広げた民友社員たち。プレー中に人間性も見え、互いを知る機会にもなった。社員Dは「近未来的な世界が新鮮だった。今後のeスポーツの発展が楽しみ」と感想を話した。

 県地域振興課の伊藤恵美総括主幹・副課長は「新年度以降の開催も検討したい」とし、高齢者の認知機能向上などにゲームを活用しようとしている市町村の支援にも意欲を見せた。