玉川村長選、須釜泰一氏が初当選 新人3人の争い制す

 
初当選を飾り、万歳で喜びを表す須釜氏。右は妻弥生さん

 第20回統一地方選後半戦で、任期満了に伴う玉川村長選は23日、投票が行われ、即日開票の結果、現職の引退に伴い新人3人の争いとなった玉川村長選は元副村長の須釜泰一氏(63)=無所属=が初当選を果たした。

 玉川村長選は、須釜氏が2224票を獲得し、いずれも元村議の林芳子(68)=自民、須藤安昭(67)=無所属=の両氏を破って初陣を飾った。任期は30日から4年。

 須釜氏は国が村内で進める遊水地整備計画への対応や旧須釜中校庭の宅地造成など大型事業を着実に進めると訴え、支持を集めた。投票率は76.14%で、前回選挙戦となった15年を6.84ポイント下回った。当日有権者数は5272人(男性2630人、女性2642人)。

 当選者に対する当選証書付与式は24日午前10時から、各町村役場などで行われる。

玉川村長選開票結果(選管最終、敬称略)
当2,224 須釜泰一(すがま やすいち) 63 無新
954    林芳子(はやし よしこ) 68 自新
801    須藤安昭(すどう やすあき) 67 無新

 村政継承の訴え届く

 【戦いの跡】4期務めた現職の引退に伴い、新人3人による8年ぶりの選挙戦となった玉川村長選。村民は、県職員出身で豊富な行政経験を持つ元副村長の須釜泰一氏を新たなリーダーに選んだ。

 須釜氏は3月に立候補を表明。現村政の路線を継承する姿勢を示し、遊水地整備計画への対応や旧須釜中校庭の宅地造成など大型事業の完結を訴えた。当初は村内での知名度に課題を抱えたが、村内に広く巡らせた後援会を生かした組織戦で着実に支持を広げた。

 林芳子氏はおむつ代の補助など子育て支援の充実を主張し、若年層の票や女性票の掘り起こしを進めたが届かなかった。須藤安昭氏は遊水地計画に地元の要望を反映させると強調し、草の根運動で支持拡大を図ったが及ばなかった。

 遊水地計画への対応や農林業・商工業の振興など村は多くの課題を抱える。若者から高齢者まで希望を持てる村づくりに向けて、須釜氏の手腕が問われる。(石川支局・秋山敬祐)