全面再開から5年...Jヴィレッジ、広がる役割
国内有数のサッカー施設Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)は20日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を経た2019年4月の全面再開から5年となった。関係者からは「サッカーの聖地」としての役目とともに「復興の拠点」として、さらなる役割拡大への期待が高まっている。
「Jヴィレッジの復活が福島の復興につながる」。全国高校サッカー選手権出場の際に合宿所として使用するなど、施設との関係が深い尚志高サッカー部仲村浩二監督(51)は期待を語る。震災で施設が利用できなくなった際は本県サッカーの遅れを危惧したが、再開で再び希望が芽生えているという。
Jヴィレッジ再開後の宿泊者数と来場者数の推移は【グラフ】の通り。このうち宿泊者数は新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいたが持ち直し、23年度も前年を上回る見通し。
県サッカー協会の菅野貴夫会長(72)は「男女のアカデミーも戻り、大会も戻ってきた。浜通りのサッカー振興に与える影響は大きい」と強調。今夏にはインターハイ男子サッカー競技の本県固定開催が始まることから、「県内の競技力底上げも期待される」とサッカー熱の盛り上がりに期待した。
また施設の利用拡大には、さまざまな用途での使用が求められる。ラグビーでは19年のワールドカップのキャンプ地のほか、幅広い世代のチームの合宿に使われており、県ラグビー協会の高木邦夫事務局長(58)=平工高ラグビー部監督=は「全国のチームにアピールしていきたい」と語る。音楽イベントやビジネス関係の展示会などでの利用も行われており、Jヴィレッジはさらに受け入れ拡大を進める考えという。
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