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福島県内事業所、男性「育休取得」36% 県調査、前年比1.8倍

 

 本県の事業所で昨年、育児休暇を取得した男性の割合は36.0%で、前年(20.4%)の約1.8倍と大幅に増えたことが県の調査で明らかになった。法改正などを背景に企業の理解が進んだことが主な要因とみられ、県が総合計画で2030年度の目標としている30%を上回った。ただ育休の平均取得日数は女性の8分の1にとどまり、企業規模によっても取得率に差があることから、県は、企業に男性の育休取得を促すための取り組みを引き続き進めていく考えだ。

県が15日、調査結果を発表した。増加は3年連続だった。県によると、新型コロナウイルス禍で働き方改革の意識が高まったことなどから、近年は取得率の上昇が続いている。昨年4月には改正育児・介護休業法に基づき大企業に男性の育休取得率公表が義務化されるなど、制度改正も男性の育休取得を後押ししたとみられる。

 一方、男性が取得した育休の平均日数は37.2日で前年から10.0日改善したものの、女性の298.3日とは依然として大きな開きがある。また、比較的規模の小さい企業では取得が十分進んでおらず、従業員数1000人以上の企業の取得率は39.1%だった一方、従業員数30~99人では17.5%にとどまった。県などによると、育休取得者に代わる人手を確保しにくいことなどが課題となっているという。

 県は、男性に一定期間の育休を取得させた企業に奨励金を交付するなど育休取得を後押ししており「企業の規模にかかわらず長期の育休を取れるようになれば、女性が出産、結婚後も働き続けられるようになる。取得率向上と取得日数の長期化に向け、今後も企業、労働者の双方を支援していく」(雇用労政課)としている。

 調査は昨年8~9月に1400事業所を対象に実施、783事業所から有効回答を得た。育休取得率は2022年4月~23年3月に子どもが生まれた人のうち、23年7月までに育児休業に入ったか、取得を申し出た人の割合を集計した。