「NIE実践例」各校に 推進協、福島県教委へ報告書贈る

 
大沼教育長(中央)に報告書を手渡す村越前代表幹事(右)と鎌田代表幹事

 教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」で、県内の地方紙や全国紙などでつくる県NIE推進協議会は14日、昨年度のNIE実践指定校12校の取り組みをまとめた報告書を県教委に贈った。

 報告書には各校の新聞活用の狙いや、成果などを掲載した。関心のある記事を使ってニュースに関する考えや感想をまとめる活動や、給食の時間に全校生に向けた放送で気になる新聞記事を紹介する活動などを紹介している。

 村越輝章前代表幹事(福島民友新聞社取締役販売局長)、鎌田喜之代表幹事(福島民報社取締役販売担当)らが県庁を訪ね、大沼博文教育長に報告書を手渡した。鎌田氏は「新聞を活用してさまざまな視点での考え方やまとめる力を付けてほしい」とあいさつした。大沼教育長は「複数の紙面を読み比べて多様な意見を理解することが、自分の考えを持って言葉で表現することに大きな役割を果たしていると思う」と述べた。

 協議会は820冊の報告書を作製し、県内の小、中学、高校などに配布する。

 大沼博文教育長「国語力の向上に効果」

 福島民友新聞社をはじめ県内の地方紙や全国紙などでつくる県NIE推進協議会の取材に対し、大沼博文教育長は「新聞などの文章を読むことが子どもの学力を高めている」と話し、今後も教育現場での新聞活用を推進する考えを示した。

 ―教育現場でのNIE活動についての考えは。
 「NIE実践指定校では国語の学力変化などの効果が見られていると感じる。(新聞を活用することは)子どもが社会への関心を高め、さまざまな考え方を知り、自分の考えを整理して表現していく力を養う上で大きな効果がある。多くの子どもに新聞に触れてもらい、社会への扉を開くことが学校に求められている」

 ―学校ごとに特色ある活動が繰り広げられている。
 「小学校では新聞という活字メディアに触れてもらうことが大切だ。成長過程で社会の出来事や、さまざまな事象に関心を高めることや、情報リテラシーをどのように養うかが問われる。報告書配布が各校で新聞を使った授業に取り組むきっかけになってほしい」

 ―今後の活動については。
 「学校の現場では主権者教育や環境教育などさまざまな教育活動が繰り広げられているが、新聞を授業の中で場面に応じて活用することもできる。実践指定校として新聞を活用したことが、その学校の文化として残ることが大切だ」