新聞「学びの引き出し」 松山でNIE全国大会が開幕

 
「新聞の精神を先生も活用してほしい」と話す夏井さん

 学校の授業など教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の普及や先進事例を共有する第28回NIE全国大会が3日、松山市で開幕した。情報通信技術(ICT)の効果的活用を念頭にした「ICTでひらくNIE新時代」をスローガンに、NIEの新たな可能性を探る。4日まで。

 日本新聞協会の主催。学校や新聞などに関わる約1200人が参加した。

 初日は松山市在住の俳人夏井いつきさんが「いのちを守る ことばを育てる」をテーマに講演した。夏井さんは俳句を多くの人たちで楽しむ「句会ライブ」を開いたり、テレビ番組で俳句の良さを広めたりしている。福島市出身の俳優梅沢富美男さんが出演するテレビ番組の俳句コーナーについて「俳句が難しい、語彙(ごい)、センスが必要という思い込みを壊せた」と語った。また新聞は性質上、物事をゆっくりと熟考したり、考えをまとめたりする時間を十分に確保できることを利点として挙げ「新聞は100年後もなくなってはいけない。新聞の精神を先生も活用してほしい」と述べた。

 パネル討論も行われ、NIEを実践する愛媛県の教育関係者や子ども、若者らが意見を述べた。ICT機器を使った教育を受ける世代を代表して愛媛大付小6年の新田航平さんは「新聞の強みはいつでもどこでも読み返せること。人の心を動かし、次につながる隠れた学びの引き出しがたくさん詰まっている」と話した。愛媛新聞社読者部の大植美香部長は「紙とデジタルでそれぞれ良さがある。先生や児童の事情に応じて使ってほしい」とした。

 NIE全国大会には本県の教員4人が参加して新聞の活用事例を考えている。

 参加教員次の通り。

 斎藤浩一(清水中)遠藤真友美(城北小)小河美智子(鮫川中)引野さぎり(石川義塾中)