「紙とデジタル」議論、NIE全国大会閉幕 矢祭の佐川町長も出席

 
参加者に作製した新聞を配る愛媛大付小の児童たち

 学校の授業など教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の普及や先進事例を共有するNIE全国大会は4日、松山市で閉幕した。最終日はパネル討論や公開授業などが行われ、NIEを実践する学校の教員らが情報通信技術(ICT)端末と新聞を組み合わせた授業について理解を深めた。

 パネル討論は「タブレットでNIE―新聞社のデジタル教材最前線」をテーマとし、教員らが新聞各社の記事検索データベースの活用について意見を交わした。東中(松山市)の山内孔校長は「ICTを活用し、学び手が創造的な能力を高めることなどが重要だ」と述べ、紙面とデジタル教材を織り交ぜた教育の可能性を語った。

 公開授業では、愛媛大付小の児童による新聞作りが紹介された。児童たちは観光客に「松山市の良さ」を取材して記事を書き、見出しを付けた新聞を作製した。担当した幸島恭輔教諭は「(児童たちは)新聞社の出前講座で見出しの付け方を学んだ。キーワードを見つけて見出しに取るので、子どもたちは(新聞作りを通じて)自分の思いを伝えられるようになった」と話した。

 3年連続で全国大会に参加した矢祭町の佐川正一郎町長は「新聞を教育に生かそうとする先生の熱意を感じた。矢祭町でもNIEを継続して実施できるようにしたい」と話した。

 次回の全国大会は来年8月1、2の両日、京都市で開かれる。