「古関裕而」朝ドラに!20年春放送・エール 主演は窪田正孝さん

 

 NHKは28日、2020年春からの連続テレビ小説(朝ドラ)が「栄冠は君に輝く」など多数の名曲で知られる福島市出身の作曲家古関裕而(ゆうじ)と妻金子(きんこ)の生涯をモデルとした物語に決まったと発表した。タイトルは「エール」。1964(昭和39)年開催の東京五輪入場曲「オリンピック・マーチ」を作曲した古関と妻の物語が、「復興五輪」に位置付けられる2度目の東京五輪の開催年に全国に発信される。

 「エール」は連続テレビ小説第102作。昭和という激動の時代に、人々の心に寄り添う数々の曲を生み出した天才作曲家とその妻の物語を描く。放送は20年春から半年間。

 主演は、俳優の窪田正孝(くぼたまさたか)さん(30)で、古関をモデルにした「古山(こやま)裕一」役を務める。窪田さんは28日に都内で開かれた記者会見で「楽しい現場にして全国、福島の方々にエールを届けられたら」と語った。金子役は今後オーディションで決める。

 福島市などは20年東京五輪・パラリンピックに合わせた古関夫妻の朝ドラ実現に向け、金子の地元の愛知県豊橋市などとNHKなどに要望や署名などの活動を続けてきた。

 東京五輪では、野球・ソフトボール競技が福島市のあづま球場で行われる。地元の偉人の人生が朝ドラで五輪開催年に放送されることで、本県や福島市の注目度も一層高まりそうだ。

 NHKはウェブ上で「銀行に勤める福島の青年と豊橋に住む女学生が、文通で愛を育み、電撃結婚。苦難を乗り越え、笑いと涙の中で生まれる珠玉のメロディー―それは激動の時代を生きる人々への"エール"となって日本中に響き渡る」と物語を紹介している。

 古関 裕而(こせき・ゆうじ) 1909(明治42)年、福島市有数の呉服店「喜多三」の長男として誕生。県師範学校付小(現・福島大付小)時代から音楽を作ることに目覚め、福島商業学校(現・福島商高)時代は音楽に明け暮れた。川俣町での行員生活を経て、国際作曲コンクールで入選したことで全国に名が知れ渡った。「オリンピック・マーチ」や「栄冠は君に輝く」など生涯で5千曲を作曲。310校の校歌を手掛けた。

 古関 金子(こせき・きんこ) 旧姓内山金子。1912(明治45)年、愛知県豊橋市生まれ。長兄と6人姉妹の三女。豊橋高等女学校(現・豊橋東高)卒。1930(昭和5)年1月、古関裕而が国際作曲コンクールで入選したとの新聞記事を読み、古関に手紙を書いた。それから文通を3カ月ほど続けた後に本県に来て、同年6月に結婚した。この時古関20歳、金子18歳。その後は夫の音楽活動を支えた。