聖光学院、貫禄のV3 春季高校野球福島県大会

 
【日大東北-聖光学院】4回裏聖光学院1死、左越えに本塁打を放ちガッツポーズで一塁を回る三好(手前)=あいづ球場

 第75回春季東北地区高校野球県大会は最終日の21日、あいづ球場(会津若松市)で決勝と3位決定戦が行われた。決勝では聖光学院が日大東北を10―3で下し、3年連続13度目の優勝を飾った。3位決定戦では学法石川が郡山に9―5で勝利した。聖光学院と日大東北は6月7日から岩手県で開かれる東北大会に出場する。組み合わせ抽選会は31日、各県の会場をオンラインでつないで開かれる。

 ◇決勝(12時34分)
日大東北
 000 001 110―3
 104 200 30×―10
聖光学院
▽本塁打 三好(聖)
▽三塁打 荒瀬(日)
▽二塁打 笹田(日)宮一、片山(聖)
▽暴投 奈須(日)
▽試合時間 2時間34分

 【評】聖光学院は21安打と猛打で圧倒した。1点リードで迎えた三回、単打5本など打者一巡の猛攻で一挙4点を奪い、試合の主導権を握った。四回には三好の本塁打などで2点を、七回にも単打で走者を着実に進めて3点を加えた。日大東北は三者凡退を4度喫した。六~八回に1点ずつ返したが、反撃は及ばなかった。(熊田紗妃)

 主砲三好、復調示す一発

 低い弾道の鋭い打球が左翼スタンドに突き刺さった。聖光学院の主砲三好元気(3年)は右腕でガッツポーズしながら悠々とダイヤモンドを一周。「バットがきれいに出てくれた」と打席を振り返った。

 今大会の2回戦と準決勝は無安打。バットでチームの勝利に貢献できず、歯がゆさを感じていた。

 「なにがなんでも出塁する」と臨んだ決勝。第1、2打席は共に内野安打を放ったが、タイミングを崩されていた。自分のタイミングまでしっかり待つことを意識して臨んだ四回の第3打席。狙いを定めていた内角のスライダーを強振。打球はあっという間に左翼スタンドまで運ばれた。

 創部初の4強となった昨夏の全国高校野球選手権大会では2年生ながら先発メンバーとして攻守に躍動した。日本一を目指す最後の夏に向けて今冬はウエイトトレーニングに力を入れ、パワーを付けた。「右方向にも長打になる強い打球を飛ばせるようになった」と自身の成長を実感している。

 県王者として臨む東北大会。「自分の結果にとらわれずに、まずは守備や走塁を全力でやり抜く」と三好。チームの大黒柱に慢心はない。(熊田紗妃)

 横手投げ星名、さえた緩急

 監督直伝の横手投げが相手打線を抑えた。聖光学院の先発星名竜真(3年)は「いけるところまで投げた。ベンチ、スタンド一体になって勝った試合だった」と充実した様子で話した。

 けがの影響で1月に投球フォームを変えた。上手投げの時よりも球速は落ちたが、「打者からはより早く見えると思う」と自信を持つ。

 球速の異なるスライダー、シンカーを織り交ぜた投球で五回まで被安打3、無失点と好投。六回以降は日大東北打線のタイミングが合い始め、六回に1失点、七回に連打でさらに1失点したところで降板したが、ピンチでも動揺することなく自分の投球を貫いた。

 聖光投手陣には抜きんでた大エースはおらず、切磋琢磨が続く。「一戦一戦やることは同じ。試合で自分の強みをアピールしたい」と闘志を燃やした。

 日大東北・天羽、成長誓う

 聖光打線につかまった日大東北。「逃げ腰のピッチングになった」。三回途中から登板し6失点を喫した日大東北の天羽(あもう)俊介(2年)は唇をかんだ。

 四回、2死から連打を浴び追加点を許した場面は「気持ちの緩みが招いた」と反省する。吉田翔監督も「この敗戦は夏の(飛躍のための)材料にしなければならない」と表情を引き締めた。

 試合直後は悔しさから涙を見せた天羽だが、次の戦いの舞台となる東北大会に向けてすぐに気持ちは切り替えた。「勝負強くなりたい」と、さらなる努力を誓った。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

【2024新戦力】ジュ ヒョンジン GK 背番号39/ 広い守備範囲強み