聖光、初戦敗退 十回タイブレーク一発に泣く 春季東北高校野球

 
【聖光学院―日大山形】サヨナラ負けとなる3点本塁打を浴び、悔しさをにじませる聖光学院の先発安斎=きたぎんボールパーク

 第70回春季東北地区高校野球大会は7日、きたぎんボールパーク(盛岡市)と花巻球場(岩手県花巻市)で1回戦6試合が行われた。本県第1代表の聖光学院は延長十回タイブレークの末、5―6で日大山形(山形第2代表)に惜敗。本県第2代表の日大東北は5―8でノースアジア大明桜(秋田第1代表)に敗れ、本県代表2校は初戦で姿を消した。

 ◇1回戦 ▽第2試合(11時38分)
聖光学院
 1000200002 ―5
 0000030003X―6
日大山形
    (延長10回タイブレーク)

▽本塁打 笹、清野(日)
▽二塁打 安斎、杉山、松尾(聖)
小野(日)▽暴投 菅井(日)
▽試合時間 2時間4分

 【評】聖光学院は延長十回タイブレークの末、サヨナラ負け。先発安斎は緩急を生かした投球で五回まで無失点だったが、3点リードの六回と5―3で迎えた十回に3点本塁打を浴びた。打線は小技を絡めて14安打を放つも、13残塁と決め手を欠いた。三回と六~九回はいずれも得点圏に走者を進めたが、無得点だった。(熊田紗妃)


 粘投安斎、無情の124球目

 聖光学院の先発安斎叶悟(きょうご)(3年)が投じた124球目。相手打者がフルスイングした打球は無情にも左中間のスタンドに吸い込まれた。「チームを負けさせてしまった」。安斎はしばらくマウンドから動くことができなかった。

 両チームの意地と意地がぶつかり合った一戦は無死一、二塁から始まるタイブレークまでもつれた。5―3で迎えた十回、犠打で1死二、三塁とされた。一塁が空いていたが、「冷静になれなかった」と安斎。警戒していた打者に対して直球が甘く入ってしまった。六回にも3点本塁打を浴びており、「雑な攻め方になってしまった」と痛恨の2球を悔やんだ。

 一発に泣く結果となったが、県大会では精度を欠いていたチェンジアップを東北大会ではしっかり立て直し、持ち味の緩急を生かした投球を発揮。斎藤智也監督も「無四球で我慢強く投げた。安斎の今の力を考えれば立派な投球だった」と評価を示す。

 集大成に向けて安斎は「一つ一つの練習の意識を変えていく」と奮起を約束。夏の福島大会開幕まで1カ月。「日本一」に向けて聖光学院の真価が問われる期間となりそうだ。(熊田紗妃)

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