親知らず

 

 痛みある場合は抜歯を

 上下の顎(あご)の一番奥にあり、真ん中から8番目の歯を親知らず(第3大臼歯・智歯)と呼んでいます。

 現代人は食生活の変化からあごの退化傾向が見られ、あごの骨格の小さい方が増えています。そのためあごの奥に親知らずの生える場所がなく、横向きに生えたり、外側に傾いて生えたり、歯の一部だけしか顔を出さないこともあります。

 また、歯はあってもあごの骨の中に潜ったままで、口の中には歯が生えてこないこともあります。

 さらに、周囲の歯肉に炎症を起こしやすく、歯肉が痛んだり、腫れたりすることもあります。歯の根もあまりしっかりしていないので、かみ合わせに対してあまり寄与しません。そのため痛みなどの障害があるとき、歯ブラシによる清掃がしっかり行えないときは抜歯する方が賢明です。

 親知らずの抜歯は大変だと一般にいわれていますが、上の親知らずの抜歯は比較的容易なことが多いです。下の親知らずで、横向きに骨の中に埋まっていて、ほとんど歯肉から出ていないときは少し厄介ですが、化膿を抑える抗生物質、痛みを止める鎮痛剤のおかげで以前よりずいぶん楽に抜けるようになりました。

 抜歯した後は義歯を入れたりしなくても支障となることはなく、そのまま放置してもかまいません。症例によっては抜歯が困難な場合もありますので、かかりつけ歯科医にご相談されることをお勧めします。

(県歯科医師会)