プラークとは

 

 口内で細菌たちが運動会

 プラークとは何でしょうか。朝起きたときに歯の周りに付くネバネバしたもの、歯垢(しこう)、細菌の塊、などいろいろ聞いたことがあると思います。実際には約80%が水で約15%が細菌からできているものです。食べた後が一番汚れていると思う人が多いですが、実際は朝起きたときが最も細菌の量が多いといわれています。

 口の中には何百種類もの細菌がすみついていて、自由に移動したり、一種の食物連鎖(細菌が出す老廃物がほかの細菌の栄養となるなど)があるなど様々(さまざま)な生活を営んでいます。これらの細菌密度はかなり高いといわれています。

 プラークは大きく分けて歯肉の上に付く「歯肉縁上プラーク」と歯肉よりも深い部分に付く「歯肉縁下プラーク」の2種類に分けられます。前者はミュータンス菌などで知られる酸素を必要とする嫌気性菌が多く、むし歯の原因菌が多く含まれます。後者は歯と歯肉の境の溝の深い部分に、酸素を必要としない歯周病菌などの嫌気性菌が多く生息しています。中にはぐるぐると回転しながら移動するものや、尻尾を振るようにして移動する運動性の細菌もいます。

 このように口の中は運動会のように様々な細菌たちがひしめき合っています。放置するとどんどん増えて、その影響でむし歯や歯周病が進行し、歯を抜かざるを得ないという恐ろしい現実が待ち構えています。完全なプラークコントロールが必要ですがとても難しいものです。歯科医院でブラッシングの練習をしましょう。

(県歯科医師会)