いわきの「矛」か、山口の「盾」か...好調同士が力比べ 15日対決

 
「山口の守りは堅いが、こじ開けられる自信はある」と語るDF家泉=12日、いわき市・いわきFCフィールド

 サッカーJ2のいわきFCは15日、アウェーの維新みらいふスタジアム(山口市)でレノファ山口FCと対戦する。いわきの通算成績は7勝6分け12敗で順位は22チーム中19位。山口は7勝9分け9敗で順位は16位。勝ち点「3」差の直接対決で、いわきが勝利すれば得失点差で順位が入れ替わる。午後7時開始予定。

 リーグで最も波に乗るチーム同士の一戦だ。ともに直近5試合が3勝2分けで、リーグトップタイの勝ち点「11」を積み上げている。

 また5試合のいわきの総得点数「11」、山口の総失点「0」はいずれもリーグトップ。いわきの「矛」と山口の「盾」の力比べとなる。

 いわきの田村雄三監督は山口の守備を「マンツーマンでショートカウンターもしっかり守ることもできる」と分析する。「ドリブルでボールを運べる選手を使って山口の守備を剥がしたい」と攻略へ意気込んだ。

 家泉「こじ開ける自信ある」

 「山口の守りは堅いが、こじ開けられる自信はある」。直近5試合でリーグ最多11得点のいわき。攻撃面での好調ぶりを、DF家泉怜依はこう代弁する。

 いわきは田村雄三監督就任後、後方からボールをつなぐ攻撃に着手している。守備が強みの家泉も、試合を重ねる中で攻撃に自信を深めている。「速くボールを前につけられた時にチームは攻め込めている。考えすぎず、テンポ良くプレーしたい」と心がける。

 チームが勢いに乗る中で、家泉は悔しさをバネに戦っていた。第23節の秋田戦、1―1の引き分けに終わると一人涙した。失点に直結するクリアミスがあったからだ。「後半は攻めていて、あのミスがなければ勝てていた。個人的には最低な試合になった」

 気持ちを入れ替えて臨んだ3日後の栃木戦は相手のFWと粘り強く戦い、完封勝利。「簡単なミスはなかった」。前節水戸戦は「疲れもあり体が重かった」が、最後まで体を張ってチームの逆転勝利に貢献した。

 山口との前回対戦は多くの好機を生かせずに0―1の惜敗。その悔しさを晴らす時が来た。家泉は「前回も悪い試合ではなかったし、今は前線に力のある選手が戻ってきている」と息巻いた。(小磯佑輔)