いわきFCが2位浮上 指揮官不在、奮起の4発勝利

 
【長野―いわき】後半24分、オウンゴールを誘うヘディングシュートを放ついわきのDF江川(中央)=長野Uスタジアム

 (10日・長野Uスタジアムほか=9試合) サッカーJ3のいわきFCは敵地でAC長野パルセイロを4―0で破り、3勝2分けで2位に浮上した。いわきは次戦の17日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)でFC今治と対戦する。午後1時開始予定。

いわきFCの試合結果

 【評】いわきは前半終了間際に先制点を奪い勢いに乗ると、その後も得点を重ね、最後まで主導権を譲らず無失点で無敗対決を制した。前半は敵陣にロングボールを送り込み、好機をつくった。前半45分、FW古川が頭で先制ゴールを決めた。後半は立ち上がりの4分、交代したFW有田が追加点を奪うと、FW有馬のPK、オウンゴールで突き放した。(石井裕貴)

 初スタメンに江川、田中 采配当たる

 指揮官不在という逆境を乗り越えての大勝だ。今季初スタメンとなったいわきのDF江川慶城(げんき)は「ゼロで抑えることを意識した。落ち着いてプレーできた」と90分間走り切った。

 前節の富山戦後、村主博正監督や選手ら4人の新型コロナウイルス感染が発覚。指揮代行の中島俊一コーチは主な選手起用や戦術はこれまで通りだったが、江川のほか、試合前にけがをしたGK鹿野修平に代わって田中謙吾を初スタメンに選んだ。

 この采配が当たった。江川は試合途中に相手選手に合わせて守備位置を変えるなど戦術に柔軟に対応、4得点目の場面ではオウンゴールを誘うヘディングシュートを放つなど攻守で活躍した。田中も失点を許さなかった。

 「ファイヤー!」。自分や仲間を鼓舞するため、日ごろからそう声を張り上げる江川。「熱い気持ちを前に出して勢いづけていきたい」。無敗街道を突き進むチームを引っ張っていく考えだ。(石井裕貴)