いわきFC 痛恨のドロー2位に後退、土壇場で追いつかれる

 
試合終了後、悔しさをにじませながらサポーターにあいさつするいわきのイレブン=Jヴィレッジスタジアム

 サッカーJ3第13節、いわきFCは19日、ホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)でギラヴァンツ北九州と対戦し、2―2で引き分けた。通算成績は8勝4分け1敗で、2位に後退した。いわきは次戦の26日、アウェーのサンプロアルウィン(長野県松本市)で松本山雅FCと対戦する。午後6時開始予定。

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 【評】いわきは後半に得た2点のリードをふいにした。前半はボールをつないでゴールを目指す北九州と、敵陣からプレスをかけカウンターを狙ういわきのスタイルがぶつかり、互いに攻め合った。後半はいわきが主導権を握り2点を奪ったが、その後カウンターから2失点。攻め続けたいわきのシュートは17本、一方の北九州は後半の4本のみ。決定力では相手に分があった。(小磯佑輔)

 攻めのスタイル貫いた結果

 2点を先制し、シュート数で北九州を圧倒した試合内容を踏まえれば、土壇場に追い付かれて引き分けとなった結果には物足りなさを感じざるを得ない。ただ、村主(すぐり)博正監督は「3点目を取れなかったことが一番悔しい。スタイルを貫いた結果なので、引き分けをネガティブには捉えていない」と言う。リードは守るのではなく広げるもの―。そんないわきのスタイルゆえの同点劇でもあった。

 前半はプレスとカウンター、後半は足元の技術に秀でたMF山口大輝らを中心にパスをつなぐ攻撃も機能。チャンスを多く作った中で2点を決めた。いわきペースで試合は進んでいるように見えた。

 いわきの失点はいずれもロングカウンターだった。積極的にボールを奪いに行ったことで生まれた背後の空間や数的不利を使われ、決定機まで持ち込まれた。「藤枝戦(第9節)でも2点差を追い付かれている。勝っている時の戦い方は絶対に課題だ」と話すのは先制点を決めたMF岩渕弘人。1失点目に絡んだ山口も「ボールを奪いにいくのではなく、試合を落ち着かせる判断ができていれば、今回のような失点は防げたかもしれない」と話した。

 次節は勝ち点差3でいわきを追う3位松本山雅との一戦。上位対決を前に課題を克服したい。(小磯佑輔)

 岩渕先制連係鮮やか

 いわきに先制点をもたらしたMF岩渕弘人はこれで今季6点目。FW有馬幸太郎と並んでチーム最多のゴール数となった。

 得点シーンは、MF山口大輝との息の合った崩しから。後半20分、相手ゴール前に流し込むかのような山口のワンタッチパスに反応し、相手GKと1対1に。最後は冷静にループシュートで決めた。「相手DF裏を狙っていた。大輝のパスを予測して走れた」
 前節はシュートを1本も打てなかった岩渕。この日はチーム最多の6本のシュートを放ち存在感を示した。「前線の選手としてのシュートの意識が得点につながった」と喜んだ。