新生いわきFC前へ 田村監督初陣、千葉に0-0引き分け

 
【いわき―千葉】前半17分、ドリブルで前線に攻め上がるいわきのMF宮本(6)=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第21節-。いわきFCは18日、ホームのいわきグリーンフィールドでジェフユナイテッド千葉と対戦し0―0で引き分け、連敗を2で止めた。田村雄三新監督による初陣で、勝ち点1を獲得した。通算成績は4勝5分け12敗で、順位は22チーム中21位のまま。

 いわきは前半、守勢に回る場面が目立ったが、無失点で折り返した。後半は積極的な守備からリズムをつかんで攻め込んだものの、ゴールを奪えなかった。

 いわきの次戦は24日。アウェーのNACK5スタジアム大宮(さいたま市)で22位大宮アルディージャと対戦する。午後6時開始予定。

いわきFCの試合結果

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきは果敢に攻めたがゴールが遠く、引き分けた。前半は千葉にボールを握られ、自陣に押し込まれる時間が長く、攻めの時間をつくれなかった。後半は中盤で相手にマンマークで対応して攻撃的な守備を行うと、リズムに乗った。走力でも上回りボールの支配を強めたが、シュートにはつながらなかった。最終盤は千葉の猛攻を受けたが、何とかしのいだ。(小磯佑輔)

 「4・1・4・1」攻守活性化

 前へ、前へ―。攻めの姿勢が随所に見えた、新生いわきFCの初陣だった。JFL時代の田村雄三監督を知るMF宮本英治は「勝ち点を獲れたことは収穫。でも、もっと良くなるはず」と手応えを口にした。

 新指揮官の下、大きく変わったのは攻撃面だ。簡単にロングボールに逃げず、最後列から短いパスをつないだ。相手守備ラインの間に果敢にパスを入れ、周りがボールを追い越す動きでサポート。ボールと共に人が速く動くことで、前進に成功した。田村監督も「ボールを受けること、勇気を持ってターンして運ぶこと...。判断なく蹴ることがなく、トライが見られた」と選手を評価する。

 守備でも積極的にボールを奪いに行く回数が増えた。「4・1・4・1」への布陣変更と同時に、各々がスペースを守る「ゾーン守備」から、マンマーク気味の守りへと変更。宮本は「真ん中(のマーク)がはっきりした分、外の選手がプレスに行きやすくなった」と変化を実感する。

 後半は運動量で違いを見せてペースを握った。それでもシュートで終われなかったのは「追い越すところで満足しちゃった(から)」と田村監督。改革が途上にあることを明かした。

 「これがベースのプレー強度」と宮本が語るように、選手はよく走った。ただ最終盤、ガス欠により度々決定機をつくられたのは今後への宿題となった。新生いわきは、走り勝つサッカーをさらに磨き上げ巻き返しを図る。(小磯佑輔)

 GK鹿野、無失点に貢献

 監督交代後の最初の試合を無失点に抑えたGK鹿野修平は「しっかりゼロで抑えられて良かった。これからの糧にしたい」と喜んだ。

 「ミスを恐れずにプレーできた」。積極的にゴール前に出てボールをかき出した。試合終盤は相手に押し込まれる時間が続いたが、体を張ったプレーでゴールを許さなかった。

 「まだまだ自分の中で突き詰められることはたくさんある。隙がないキーパーになりたい」とさらなる成長を誓った。